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「東大が女子だけ月3万の家賃補助」は“差別”じゃない【勝部元気】

 東京大学が、自宅から駒場キャンパスまで通学に90分以上かかる女子学生を対象に、一人暮らしの家賃補助を月3万円出すという施策を発表しました(来年4月から実施)。これが、大きな波紋を呼んでいるようです。 一人暮らし

女性の一人暮らしはセキュリティにお金がかかる

 東大は導入の理由を「女子の安全な住まいについて心配する保護者が多かった」からとしています。たしかに、女性の一人暮らしは、男性以上に気を使わなければいけないことは多いように思います。  住宅情報サイト「SUUMO」の調査によると、「部屋の設備・仕様で決め手」に対して、「2階以上」と答えた女性は男性のおよそ2倍。「立地・周辺環境で重視した条件」には、「治安」と答えた女性は男性のおよそ1.6倍。  女性であるというだけで、いかにセキュリティ対策費用が余分にかかるかが分かりますね。一人暮らしをしている女性、したことがある女性は、うなずける話でしょう。 マンション選び 実際、「学生Walker」(学生のための物件情報サイト)が実施している新入生調査によると、男子学生より女子学生のほうが、毎年1割近く家賃が高いそうです。  今回、東大は親の所得制限を設けないとしたことからも、これは「貧困対策」ではなくて、あくまで「治安対策」ととらえるべきでしょう。

「差別だ」と批判する人は想像力が乏しい

 ところが、残念ながら一部の男性(中には女性も)が、この施策に対して「差別だ!」と批判しているようです。そういう男性を見ていると、「この人たちは女性の身の安全に全く関心がないのかな?」と思ってしまいます。  私も以前、ある女性に“住む場所”について聞いたところ、「なるべく高層階で、オートロックやモニター付きインターホンが必要で、駅から近く道のりも明るくて人通りの多いところで、できれば管理人さんが常駐しているとなお良し」とズラズラと言われ、とハッとさせられたことがありました。  でも、限られた予算内ですべてを叶えるのは難しく、妥協せざるを得ない場合が多かったりしますが……。 洗濯 ほかにはカーテンをなるべく開けないようにしたり、下着を外に干すのも注意が必要です。  そこまで想像したうえで、批判をしているのでしょうか?
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東大政策には賛成の勝部視点とは?
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