その一つが決まったら、ほぼすべて決まってしまいます。その一つが黄色いバッグだったら、黄色を含む3色ルールをつくりますから、黄色いバッグ、黄色いマフラーというふうに、まず自分が選んだアイテムの色でその日に合ったものを選択。 　残りは例えば、ネイビーのコートとパンツ、白いセーターと白スニーカーというふうに決めていきます。これは湘南へ行くバージョン。 　ホテルディナーに行くのに、彼からもらったシルバーの指輪をしていくと決めたら、バッグや靴の金具はすべてシルバーにします。その他は最初に消去して残っている、その日の天気と気温に合っているもので、かつ「都心のホテルのレストランに行くのにふさわしいアイテム」のなかから選び、色はもちろん3色以内に絞ります。 　全体のワードローブの数にもよりますが、天気と気温、場所と目的、そして今日のポイントを1つ決めて、残りのもので3色以内でコーディネートするまでやったら、そんなに選択肢はないだろうと思います。 　それでもまだ決まらないとなったら、デートの場合は、彼がどんな格好をしてくるか、2人並んで絵になるかで考えればいいですし、湘南で女子会の場合は、ほかの友達とかぶらないようにするなど、自分以外の人との兼ね合いを考えればいいでしょう。 　人生の目的はおしゃれになることではなくて、ハッピーになることです。おしゃれ至上主義者ではなくて、ハッピー至上主義者になるためにも、おしゃれにこだわりすぎて本末転倒にならないように。 　おしゃれのために風邪をひいたり、彼に振られたり、試験や面接に落ちたり、死にそうになったりするのなら、おしゃれなんて全然意味はないのです。人生はハッピーがいいに決まっています。 ＜TEXT／小林直子＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【小林直子】 ファッション・ブロガー。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒、文化服装学院卒。東京コレクション参加ブランドのパターンナー、大手アパレル会社の企画室を経て独立。現在、湘南エリアを中心に独自に開発したメソッドによるファッション・レッスン、各種ワークショップを開催するなど活動中。ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』