そんなとき、ふと仲良しの編集さんが、自分でかけられる年金を始めたという話を思い出したのだ。翌日、その編集さんに電話をかけると、それがどうやら
「個人型確定拠出年金」だったことが判明。……あ~、何か聞いたことあるわ~。
簡単に言えば、自分で金額と金融商品を決めて毎月かけると60歳まで勝手に下ろすことができず、その間、お金をプロが運用してくれるので60歳までの間で増える可能性もあるということ(投資だから、もちろん減る可能性もある)。
株や運用という言葉に疎すぎるほど疎い私はこの時点で戸惑ったが、なにより、かけたお金は非課税ということに驚いた。だって、毎月2万かけて、年間24万が課税所得にカウントされない(控除される)となると、所得税・住民税もだいぶ安くなる。保育園に行っていた時期なら、保育料さえも安くなるのだ。それなのに、貯金はされていく。
あれ、いいことづくめじゃん! そんなノリノリの私に、編集さんは『
マンガで簡単! 女性のための個人型確定拠出年金の入り方』を勧めてくれた。マンガ……めっちゃありがたい! わかりやすい! 読みやすい!
その後すぐに加入を決めて申し込みを済ましたのだが、それまでのやりとりのことを考えて、ふと思った。
こちらから聞かないと教えてくれないことが多すぎる。もちろん、自分で知る努力も多少は必要だけど、もっと情報発信してほしいことがたくさんある。
これは、
母子手当や
障がい手当でも言えることだ。
私は離婚したとき、役所に何度も足を運び、
「私が受けられるものは何ですか?」と聞き、様々な手当てを教えてもらった。そして、息子に障がいがあるとわかった時も、障がい窓口に行き、受けられる手当を全部聞き、その場で申し込んだ。
でも、聞かなければ、
母子手当で水道代の基本料金が無料になることや、息子の知的障がいがあることで受けられる「特別児童福祉手当」などがもらえることはまったく知らなかった。ましてや、申し込みをそこでしないともらえないままだったのだ。

調べて動けばいいと言うかもしれないが、障がいや離婚などナーバスなことを、ペラペラと役所の人に聞いたり、話すことは相当の力がいる。受け止めるだけで大変なのに、すぐに「何がもらえるのか」と頭を切り替えるのは大変なこと。でも、知らなきゃ損することがたくさんありすぎるのだ。
私の老後はまだまだ先。そう思っていたが、きっと今のペースで仕事をして子育てをしていたら、すぐにその日は訪れる。その前に、出来ることからコツコツと始めていきたい。そして、その間、娘と息子がしたいと思ったことをさせてあげられるように、とにかく仕事をがんばらなくてはと思ったのであった。そして、娘の寝顔を見ながら
「どうか! 中学受験をしたいとか言い出さないで!!!」と念を送る母であった。
<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>
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【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(
@singlemother_ky)

- ママ。80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。

- 娘(8歳)。しっかり者でおませな小学3年生。イケメンの判断が非常に厳しい。

- 息子(5歳)。天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをものともせず保育園では人気者
【ワタナベチヒロ プロフィール】
漫画家、イラストレーター。お金にまつわる役立つ知識をオールマンガで1冊にまとめた著書『
お金に泣かされないための100の法則』(ファイナンシャルプランナー山口京子先生が監修)が主婦と生活社より発売中。
※このエッセイは月ごとに配信予定です。