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愛犬はいつか先に逝ってしまう…別れの心づもり|ペットロス Vol.2

16歳の愛犬を亡くした心理カウンセラーが考えるペットロス Vo.2>  後にケフィとなる子犬が我が家にやってきたのは生後70日を過ぎた頃でした。  ブリーダーさん宅に迎えに行くと、“動くシロクマのぬいぐるみ”のような子犬が必死に母犬を追いかけ、おっぱいをせがんでいました。産まれた直後に対面したときのモグラのような風貌は面影も無く、すっかり愛らしい生き物に変身していました。  シャンプーしたての被毛は綿菓子のようにふわっふわ。体は真っ白で耳だけが飴色に輝いていました。ブリーダーさんが「耳の色が成犬になったときの色ですよ」と教えてくれ、「こんな美しい黄金色になるんだ!」と、成犬になったときの姿を思い浮かべてワクワクしました。

「楽しく過ごせるのはせいぜい10年」

 愛くるしい姿を抱きしめながらお別れの挨拶したとき、ブリーダーさんが言った言葉は今も鮮明に覚えてます。 「大型犬であるゴールデン・レトリーバーの寿命は短いものです。楽しく過ごせる時間はせいぜい10年くらいですから、う~んとかわいがってあげてください」  それを聞いたときの私の心は「この愛らしい生き物とこれから10年も一緒に過ごせるのだ!」と、夢と期待でぱんぱんに膨らんでいました。 「うーんと、うーんとかわいがろう」 「一緒にいろんなところに行って、いろんなことをやろう」 「この子に、人(犬)生をたくさんたくさん楽しんでもらおう」  子犬の体をぎゅうっと抱きしめながら、そう心に誓いました。  もちろん、「犬の寿命は人間より短い」ことは知っていました。「あっという間に年を取る」という知識もありました。実際、私が小学生の頃から一緒に暮らしていた先代犬・りゅう(柴犬)は16歳4カ月で亡くなっていました。  でも、そのときの私には「10年」はとても長く、たっぷりと時間があるようにしか思えなかったのです。
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いつか別れが来ると頭では分かっていても…
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