やりがい求めた転職で“うつ病”に…「シャンプーは3日に1回」の貧困女子
転職でステップアップや、自分のやりたい仕事に近づきたいって誰しも考えることですよね。
ところが、そんな希望に満ちた選択がきっかけで、大きな困難に直面している女性がいます。詳しく話を聞いてみました。
都内一等地に洒落たオフィスを構えたデザイン事務所での仕事は、最初こそとても楽しいものだったとか。
「大手にいた頃とは違い自由度の高い仕事が多く、やりがいがありました。でも、背伸びして家賃のバカ高いオフィスを借りたり、新規取引先開拓のために価格設定を下げたり、いろいろ無理があったんでしょうね。一年も経たないうちに徹夜や休日出勤当たり前の膨大な仕事を押し付けられるようになり、スタッフはみんなボロボロ。
ボスが取ってくる仕事もうさんくさいものが増え、ヤバそうな空気が漂い始めたタイミングで、大口のクライアントとの仕事が打ち切りに……。
これは間違いなく倒産や給料未払いなどになると思い、いち早く事務所を辞めてしまいました。冷たいと思われるかもしれませんが、激務とストレスで体調不良が続いていて、再就職先を探す前に少し休みたかったんです」
自由の身となり、ひとまずは毎日ゆっくりと過ごすことに。これですぐに元気になると思ったそうですが……。
「寝つきが悪く眠りも浅くて疲れるし、肩コリや頭痛がひどく気持ち悪くて食欲も湧かない。とても再就職への意欲など湧きません。
病院でひととおり検査したのですが特に悪いところはなく、最終的に受診を勧められたのが心療内科。そこで“うつ病”と診断されました。『もしかしたら……』とうすうす思ってはいましたがショックでしたね」
診断後すぐ、激しい動悸や不安を感じるパニック障害の症状も出始めたという室田さん。これでは再就職活動どころではありません。
「服や美容、お酒、旅行などに散財しまくっていたので、恥ずかしながら貯金は200万円程度。これではすぐに底をついてしまうので、新潟の実家に帰ることも考えましたが、兄家族が同居しているので帰りづらい。
というより、田舎の両親は東京でバリバリ働く娘を自慢に思っているフシがあるので、仕事を辞めたこともうつになったことも言いだせなくて……。限界がくるまでは一人でなんとかするしかないと思いました」
デザイン事務所勤務を経て大手IT企業に転職。サイト制作の仕事に携わっていたという室田瑞希さん(仮名・33歳・アルバイト/未婚)。
「職場の環境はよかったのですが、もっとクリエイティブな仕事がしたいと思い始めた頃に、ちょうど独立した元職場の先輩から声が掛かって。
提示された給料は十分なものだったのですぐに転職を決めたのですが、それが貧困人生の始まりでした」
徹夜・休日出勤でボロボロに…
“うつ病”と診断され、パニック障害の症状も…
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