炎上すると病むかキレるか…SNSの怖さと魔力【北条かや × yuzuka】
――本名とペンネームの話が出ましたが、北条さんのペンネームがご自身の心の中で占める割合はどのぐらいですか?
北条:今は9割がペンネームの北条かやで、1割が本名です。北条かやが暴走しそうになると、1割の自分が止める感じです。本名の自分が1割もなくなっていたときに自殺未遂をしてしまったので、2割か3割ぐらいには増やしたいなぁと思っています。
――心の9割がペンネームで構成されているとは驚きです。yuzukaさんは?
yu:私はyuzukaが8割、本名が2割です。ネットでお仕事をもらって対価として原稿料をいただき、人前に「yuzukaです」と名乗り出る機会が増えると、どうしてもそっちの人格が勝ってしまうんです。その価値観に対して、「本当の私はこうじゃない」と自分に言っている自分もいます。
ツイッターも若干、2ちゃんねる化していて、匿名的な批判が増えていますから、バランス調整が大切だとは分かっているんですけどね。
北条:私はツイッターのユーザーが増えて、みんなが裏アカを持つのが当たり前になって、2ちゃんねる化していた時期に炎上して、「こんなにツイッターは殺伐とした空間なんだ」と思ったんです。今はさらに攻撃もしやすいし、されやすい環境にもなっているんでしょうね。
――yuzukaさんはバッシングされた経験はありますか?
yu:あります。普段は無視するんですけど、一度だけ「肉便器」と言われて、ものすごく頭にきて、初めて切り返したことがあるんです。「お前は肉便器を掃除する便所のブラシだ!」って。
北条:うまいこと言いましたね(笑)。
yu:私もそう思ったんですけど、こういうやり取りを思い出してしゃべると自分のネガティブな面が浮き彫りになりますね。
北条:それぐらいネガティブな闇を抱えていないと、ツイッターでフォロワーは増えないんですよね。そもそも仕事やプライベートが充実していて幸せな人は、ツイッターをしないですし。
yu:存在自体を知らない女性もいますよね。「あの鳥のマークの?」みたいな(笑)。同じライターで、合コンコンサルタントのマドカ・ジャスミンちゃんとお茶をしたときも、「ツイッターでフォロワー数が増える人間は闇が深い」という結論に到達したんです。
そのことを実感もしているし、私は常にyuzukaというコンテンツを意識しながら文章を書いてはいますけど、たまに男性から攻撃されることがあるので、ネットとのつき合い方を変えるようにしました。
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炎上とバッシング経験者の2人は現在、どのようなスタンスでネットと向き合っているのか――。次回、最終回に続きます。
―北条かや×yuzuka対談 vol.4―
<構成/内埜さくら 撮影/難波雄史>
ツイッターは殺伐とした空間
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