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女性にブームの春画。 江戸のエロスが、文字の朗読でもっと楽しめる

 江戸時代の男女の営みを描いた浮世絵、“春画”。国内外で高い注目を集めているだけでなく、展示会を開けば女性が来客の半数以上を占めるほど、女性のあいだでもブームとなっています。

 ただ、画の中に書かれた“くずし字”を解読できるという人は少ないはず。そもそも、「画の中に文字があったことすら気づかなかった!」という人も多いのでは? かく言う筆者もそうでした。

春画イベント そんな折、くずし字の書入れをわかりやすく解説してくれ、しかも艶っぽく読み聞かせてくれるイベント「大人の女の羞恥トーク! 艶声春画」があるとの情報をキャッチしたので、参加してみました!

ストーリーを知れば、春画が深く楽しめる



 向かったのは、古書店の街として有名な神保町。ビル2階にある「ブックカフェ二十世紀」が会場です。

「大人の女の羞恥トーク! 艶声春画」は、語り手の中野愛梨さんがテーマに沿った春画をピックアップし、その画の背景やストーリーを解説した上で、書入れを音読してくれるイベント。2回目となる今回のテーマは「大人の淫靡な怪談物語」で、夏の夜にぴったりな、背筋がヒヤッとする春画を8作品紹介してくれました。

歌川豊国の『絵本開中鏡』

歌川豊国の『絵本開中鏡』より(画像は一部加工してあります)

 たとえば、歌川豊国の『絵本開中鏡』に収められた「牡丹灯篭」は、有名な怪談『牡丹灯篭』の主人公、お露と新三郎をモチーフにした春画。新三郎に見えている“人間の姿をしたお露と交わる絵”と、傍から見た“骸骨と交わる絵”の2枚セットとなっています。

 ただ画だけを眺めたら、1枚目は普通の男女の営みに見え、2枚目はなぜ骸骨なのか疑問に感じるところですが、「恋焦がれた末に死んだお露が、亡霊となって新三郎に会いに行った」という経緯がわかると、2枚の絵の関連性や、お露と新三郎の感情が手に取るようにわかり、画に奥行きを感じることができました。

艶声で味わう“聴く春画”



 ストーリーや背景の説明が終わると、いよいよ書入れの解説と音読。

 画の中に書かれている文字をよく見ると、文頭に「男」「○○(画の中の人物の名前)」など、誰の言葉かが書かれているものもあります。これは、書入れが男女の会話になっているから。セリフから感情や駆け引きの様子が見て取れ、知ると画その物の見方も変わってきます。

菊川英山『絵合錦町鈔』より

菊川英山『絵合錦町鈔』より(一部画像を加工しています)

 菊川英山の1枚では、客に本気で恋した花魁が、久しぶりに会いに来た情夫のその場しのぎの言葉にほだされ、「アナタを思って遊郭でのつらい勤めもこなしています。どうか見捨てないでください」と訴えていたり、源義朝の側室であった常盤御前と平清盛との交わりを描いた歌川国虎の画では、清盛が「義朝より格別だろう」と男性器のサイズを比べさせるようなことを言っていたり。「男女間に芽生える感情は、江戸の時代も同じだったんだ……」なんて、ちょっと親近感を覚えます。

 また、柳川重信がオランダ人男女の営みを描いた画では、オランダ語とする言葉が「まあらそみな、さまねえちょんがる……」とでたらめに書かれ、日本語が「翻訳」として添えられているなど、書入れを知るからこそ楽しめる構成もみられました。

 そしてそれらのセリフを、中野さんがお色気を込めて音読してくれます。息遣い、ためらい、喘ぎ声など画が動いているかに感じられるほどリアルで、聴いているうちにすっかり春画の世界へ引き込まれてしまったほど。恥じらいながらもどんどん熱量を増していく様子も印象的でした。

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主宰者は、性的いじめなどつらい体験も…

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■大人の女の羞恥トーク! 艶声春画
・次回日程/2017年9月22日(金)19:30~21:00
・ブックカフェ二十世紀(神保町)税込2,000円(1ドリンク付き)
・次回テーマ/遊郭の夕べ 語り/中野愛梨
・艶声春画~ 公式サイト/http://tsuyagoe.com/
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