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産まないことは「逃げ」?不妊治療をやめた体験記が切なくて泣いた

子供を産まねば…世間よりも自分が自分を追い詰める

 吉田さんの友人が言うには「子供が欲しいというのは外圧ではなく内圧。妊娠して出産するという女としての権利があるのだから、行使しなくてはという感じ」。  いわばバックグラウンドや環境による刷り込みが、プレッシャーとなり自らを追いつめるのです。  昔、日本では「産めない女」を「石女(うまずめ)」と呼びました。現代社会で子供がいない女性は「産めない」「産まない」「いらない」と様々ですが、石女まではいかないにしろ、どこか斜めに見る世間は残っている気がします。  では「産んだ」女性が偉いのでしょうか。いえ、産もうが産むまいがれっきとした女性。産む産まないにかかわらず、子供を「逃げ場」にしない人生を歩めばいいのだと思います。 「しあわせって何ですか」という吉田さんの問いに、私も考えてみました。飼い猫を撫でている時、夫が買ってきてくれたパンがおいしかった時、それを一緒に食べている時、なんだ案外小さくて平凡だな、と我ながら微笑ましくなりました。吉田さんをはじめ周囲の人々も私と似たり寄ったりで、改めて幸せは足元にあるのだと気づかされます。  産む、産まないだけではなく、生きていく中で様々な選択を迫られます。予想外の出来事も襲ってくるでしょう。大切なのは自分の幸せは何かを見極める底力と、小さな幸せを見失わない感性を養うこと。自分の人生からは「逃げ」られないのですから。 <TEXT/森美樹> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
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