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宮崎名物「なんじゃこら大福」の中身とは…!【カレー沢薫の「ひきこもりグルメ紀行」】

「なんじゃこら」という名前の由来がまたいい

 ちなみにこの特徴的な名前だが、なんじゃこらと言わせるような商品を作ろうと思って作ったわけではなく、商品を試食した人が「なんじゃこら」と言ったからそう名付けられたという。  適任な人に試食をさせたと思う。  世の中にはどうにもリアクションが下手な人間というのがいる。心では大いに感動し驚いていても、仏像のような顔で、一言一句発しないやつというのがいるのだ。  そんな人間でも、試食をさせてもらっている以上、何か言わねばと思い、「いちごとチーズと栗が入っててすごい」等「息してるからエライ」みたいな、褒めるところがないから事実だけを述べているみたいな、ことを言ってしまったりするのだ。  そんなリアクションをされたら、作った側も「これは失敗だったのか」と思ってしまうだろう。  素直に「なんじゃこら」と最高のリアクションをしてくれた人がいたからこそ、生まれた商品と言ってもいいかもしれない。  この日高屋は、なんじゃこら大福の他にも多数のオリジナルスイーツを販売しているが、どれも惜しげもなく「詰まっている」。  キリチーズを使った「チーズ大福」という商品もあるが、もはや大福というよりキリチーズだよね、というぐらい八割チーズだし、「なんじゃこらシュー」という、説明不要の商品も人気だそうだ。  どれも確実に美味いとわかる商品ばかりだが、逆に1ミリでも「カロリー」という軟弱なものが気になる人間は、近づかない方がいい店舗である。 <文・イラスト/カレー沢薫> 【カレー沢薫(かれーざわ・かおる)】 1982年生まれ。OL兼漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。自身2作目となる『アンモラル・カスタマイズZ』は、第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出。主な漫画作品に、『ヤリへん』『やわらかい。課長 起田総司』『ねこもくわない』『ナゾ野菜』、コラム集に『負ける技術』『もっと負ける技術 カレー沢薫の日常と退廃』『ブスの本懐』などがある
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