後日、Rさんを呼び出し。
私「子供を作る前に精子の検査をしてみるのはどう?」
R「病院でヌくって事か!? いやや!」
思った通りの反応です。
私「いやいや、最近は郵送でも検査できるんだよ。5日間禁欲した種を専用の容器に入れて、クール便で送ると1週間以内に結果がメールで送られてくるんだって。自分の種がどういう状態か知りたくない?」
R「う~ん……まぁな。」
あと一押し!
私「面倒なことは私が全部やるから、Rさんは家で出して、取りに来た宅配便業者に渡すだけ! お願い!!」
R「……分かったよ」
というわけで、半ば強引に説得!
すぐに申し込みを済まし、Rさんは届いた容器に無事発射。クール宅急便で病院に送られていきました。
それから1週間後……、一通のメールが。それは検査結果のメールでした。
なんと……、精液量、精子数、運動率、奇形率、濃度etc.という検査項目の中で「精液量」以外は全て基準値を下回っていたのです。簡単に言うと、「量は多いけど種超薄い」というまさかの結果に。
この結果には、もちろん私も落ち込みましたが、一番ショックを受けていたのは紛れもないRさん本人でした。
というわけで、あと一歩のところで、私の子作り企画を断念せざるを得なかったのでした。
<TEXT/杉沢志乃>
【杉沢志乃(すぎさわしの)】
36歳。東京生まれ。ナンバーワンホステス時代に独学で行政書士試験に合格。25歳で小説『キャバクラ嬢行政書士の事件簿』(ゴマブックス)を出版し、翌年『キャバギョ!』でDVD化。現在は女性向け映像メーカー「
ラ・コビルナ」の代表取締役社長を務める。