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犬が突然立ち上がれなくなる…高齢犬に多いメニエール病|ペットロス Vol.10

首が傾いても…生きていてくれてありがとう!

 内耳の近くにある前庭神経は、三半規管とともに平衡感覚を保つ役割を担っています。ここに不具合が生じると、バランスを取ることができなくなって、まっすぐ歩けなくなったり、頭を傾けるようになったり、めまいを起こしたりします。  周囲がぐるぐる回って立ち上がることができず、気持ちが悪くなって嘔吐をすることもあります。なぜケフィがそんな病気になったのか? その原因は特定できないけれど、「高齢犬に多い」と説明されました。
トイプードル

首が傾く、眼球がぐるぐる動く症状が(写真はイメージです)

 獣医師が診ると、眼球が激しく動いている様子がすぐに分かり、あっさりと診断が付いたとのことでした。確かに昨夜、ネットで見た「犬が突然立ち上がれなくなる」病気のなかにメニエール病も入っていました。  動物病院にお見舞いに行くとケフィは点滴につながれ、焦点が定まらない目をしながらも尻尾を振って必死に立ち上がろうとしました。確かに首はかなり傾いています。それでも私が帰ろうとすると、体中の力を振り絞って「なんで置いていくの!」と抗議する元気さを取り戻していました。  入院3日めには、ほんの少しだけ立ち上がれるようになり、4日目には「立ち上がって排泄した」(獣医看護師さん)との報告を受けました。そして獣医師は、今後の見通しをこう話しました。 「たぶんあと数日で眼球振動が止まり、退院できるでしょう。また立ち上がれるようにもなると思います。でも、この首の傾きは後遺症としてずっと残ってしまうかもしれません」
ケフィ常滑で

メニエール病から回復して、また旅行に行けた

 私は「首の傾きなんかどうでもいい」と思いました。「寝たきりにならなかっただけで十分」と思えたし、とにかく何百万回お礼を言っても足りない気持ちでした。 「ケフィ、生きていてくれてありがとう!」と。 <TEXT/木附千晶> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【木附千晶プロフィール】 臨床心理士。IFF CIAP相談室セラピスト。子どもの権利条約日本(CRC日本)『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの力を伸ばす 子どもの権利条約ハンドブック』など、著書に『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり』など
木附千晶
臨床心理士。「CAFIC(ケフィック) 子ども・おとな・家族の総合相談 池袋カウンセリングルーム」主宰。子どもの権利条約日本(CRC日本)『子どもの権利モニター』編集長。共著書に『子どもの力を伸ばす 子どもの権利条約ハンドブック』など。著書に『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり』、『いつかくるペットの死にどう向き合うか』など。
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