どちらかが独身の不倫カップルがいたら、そこには妻と夫、その相手という3通りの思いがある。ダブル不倫なら4通り。つまりダブル不倫カップルが100組いたら、そこには400通りの思いがあるのだ。すべては当事者たちの問題である。

今回の件も、小泉今日子が略奪を意識したのか、あるいは恋愛関係にあることをここで認めておいたほうがのちのちめんどうがないと踏んだのか、はたまた態度がはっきりしない豊原功補の尻を叩いたということなのか、真意はまったくわからない。それに彼女が結婚したいと思っているかどうかさえ不明だ。今さら法律婚にこだわるようにも思えない。
「芸能人にはそれなりの利害関係、政治感覚があるのかもしれないけど、一般人の私からすると、誰にも言えない関係ってせつないものですよ」
既婚者とつきあって8年たつ独身のマイコさん(39歳)は言う。相手は自分が勤める会社と取引がある企業に勤めている。だから自然と噂も耳に入ってくるのだそう。
「お正月は彼が妻の実家で過ごしたらしい、とかね。そんなこと聞きたくなくても耳に入ってくる。彼は結婚して10年、私はつきあって8年。たった2年しか違わないのに私と彼との関係は誰も知らない。子どもが大きくなったら離婚すると言っているけど、それだって当てにはらない。
私だって『あの人と恋愛関係にあります』って暴露できたら気が楽になるだろうなと今回、思いました」
たとえ周囲に祝福はされなくても、恋愛関係にあると言えて、相手も同調してくれるなら少なくともふたりの歩調は同じだと思えるとマイコさんは言う。
小泉今日子さんがバッシングされるのか、あるいはさまざまな事情から控えめな報道となるのか、この先彼女の「商品価値」はどうなるのか……。今後の「不倫報道」にも一石を投じる発表となったことだけは明らかだろう。
そして彼女自身が表明しているように、どういう結果になろうとも、おそらく「
自分の責任」としてすべてをかぶる覚悟でいるのではないだろうか。それが、マイペースで自分の道を切り開いてきた彼女の生き方なのかもしれない。
<TEXT/亀山早苗>
【亀山早苗】
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『
復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数