ワンショルダーが流行の予感。去年ブームのオフショルダーよりは着やすい?
【モードをリアルに着る! Vol.26/小林直子】
セルフ・ポートレイトの2018春夏コレクションは、70年代から80年代初頭のスタイルにインスパイアされたコレクションということで、さまざまな形のワンショルダースタイルがあふれていました。
さて、セルフ・ポートレイトはマレーシア人のハン・チョンが2013年にロンドンで立ち上げたブランドで、まだまだ歴史は浅いですが、キャサリン妃が、いわゆるセルフ・ポートレイトスタイルとも言える、シースルータイプの総レースのドレスを着用していることなどから、急速に人気が出てきました。
まだ日本では取扱いが少ないようですが、これからどんどん人気が出てくるでしょう。
さて、ではこんなワンショルダーのデザイン、どうやって私たちは取り入れましょうか。
皆さんの中には去年あたり、オフショルダー、つまり両肩が露出しているタイプのブラウスなりワンピースなりを買った方も多いのではないでしょうか。しかし、あのオフショルダー、なかなか着にくいしろものではなかったですか。
まず、肩がずり落ちる、下着に困る、冷房のきつい部屋に入ると寒いなど。そして結局、オフショルダーの下に普通のTシャツを重ね着して、あんまり意味がないオフショルダーになってしまったりして。
オフショルダーは構造的にずり下がることになっていますから、ストラップがないタイプのものならば、いつ脱げてもおかしくありません。また、下着を見せたくなかったら、ストラップレスのブラをつけなければならないなど、なかなか着るのが難儀です。
ワンショルダーはこの問題点をクリアしています。まず片方の肩はちゃんとあるので、そのまま脱げるということはありませんし、ブラのストラップも片方だけはつけたままにすることができます。これだけでも着るときの安心感は違います。
また、このセルフ・ポートレイトのように肩がない側の袖が途中からあるものなら、完全なオフショルダーほどは寒くありません。このように、ワンショルダーは、着る上でのオフショルダーにあった欠点のかなりの部分を解消していますから、十分に着やすいものでしょう。
片方の袖だけ肩の部分を切り取ったもの、ビスチェスタイルに片方の肩だけストラップをつけたものなど、デザイン、素材、柄など、ありとあらゆるバリエーションが出現。 セルフ・ポートレイトとしては、この春夏、「とにかくワンショルダーを着て欲しい」というメッセージだと受け取ることができました。
セルフ・ポートレイト、英国キャサリン妃着用で人気上昇
デザイナーのハン・チョンはロンドン芸術大学のカレッジのうちの一つであるセントマーチンズ出身です。 セントマーチンズと言えば、NYのパーソンズと並ぶ、多くの有名デザイナーを輩出した大学で、ジョン・ガリアーノ、アレキサンダー・マックイーン、ステラ・マッカートニー、サラ・バートン、フィービー・フィロなど、すべてセントマーチンズ出身。経歴にセントマーチンズ出身とあれば、正統な教育を受けた、実力のあるデザイナーであるということがわかります。
さて、そんなセルフ・ポートレイトのワンショルダーは透ける素材であるシフォンを使い、フリルのディテール、ウエストにぺプラムと呼ばれる短いフレアをつけ、しかもそのフレアの裾(すそ)がイレギュラーになっているなど、1枚のブラウスというアイテムの中に今の気分を余すことなく表現されたものとなっています。 これは芸が細かく、かつ非常に知性を感じさせるデザインであり、だてにセントマーチンズを出ているわけじゃないということがわかります。
ワンショルダーは去年流行のオフショルダーよりは着やすい?
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