ストレスで女性の薄毛が増加…頭皮シャンプーは効果なし?医師がズバリ
お風呂上り、「あれ、髪の毛がずいぶん落ちている……」。鏡の前に立つと、「髪にボリュームがない……」。そんなお悩みを抱えている女性、いませんか?
いまや、薄毛は男性だけのお悩みではありません。バリバリ働く女性は“オス化”していると言われ、体毛が濃くなったり、ヒゲが生えたりする人も。薄毛もその一つで、男性ホルモンが増加することにより、髪の毛は薄くなってしまうのです。
一体、どうすれば薄毛を予防できるのか? 薄くなってしまった毛を増やすことはできるのか? 『最強! の毛髪再生医療 – 豊かな髪と再び出会える本』(ワニブックス)など多数の著書で知られる、あらなみクリニック総院長の荒浪暁彦先生に話を伺いました。
――女性が薄毛になるメカニズムとは?
「男性ホルモンが増えると、5アルファリラクターゼという物質がDHTという毛根を攻撃して抜け毛を促進する物質に変えます。だから男性ホルモンが多い人は薄毛が多いと言われているんです。
女性も本来、男性ホルモンを持っていますが、女性ホルモンが強いうちは男性ホルモンの働きが抑えられているので、そんなに毛は抜けません。しかし年を取って卵巣機能が低下してくると、女性ホルモンを分泌できなくなるので、男性ホルモンが優位に働くんです」(荒浪先生、以下同)
――ご高齢の女性はヒゲが生えたり薄毛が目立ったりしますが、卵巣機能の低下が原因だったんですね。
「加齢以外にも、血流が悪くなることで卵巣機能は低下します。血管を拡張したり収縮したりするのは自律神経なんですが、昔と違っていまは冷暖房があるので、自律神経を鍛える場がないんですね。それが冷え性の原因の一つと言われています。自律神経はストレスに弱いので、ストレス社会に生きる女性に血流障害が多くなっています」
――自律神経を鍛えるためにはどうすればよいでしょうか。
「暑いときは冷房に頼らず、我慢して汗をかく。あとはきちんと寝ることです。
睡眠中は副交感神経、起きている間は交感神経が働きますが、副交感神経と交感神経が交互に作用するような生活をしていないと、自律神経のバランスが崩れて血流が悪くなります。交感神経は攻撃神経と言われていて、男性ホルモンが優位に働くんですよ。
夜ずっと起きていて副交感神経を働かせなかったり、バリバリ働いて交感神経がいつも働いているような状態でいると、男性ホルモンが増えてしまいます」
――ほかに生活面で気をつけるべきポイントは?
「アルコールを過剰摂取すると、男性ホルモンが増えますね。あと、タバコは最悪です。タバコを一本吸うだけで血管が収縮するので、血流も悪くなるし、細胞を破壊して活性酸素を増やすので、抜け毛はもちろん、たるみやシワの原因になりますよ」
――マッサージは効果はありますか。
「悪くはないんですが、マッサージをしたくらいで血流はそんなによくなりません。むしろお風呂に長く入ったほうがいいですね。温まると血管が開き、血液がそこに多く入るということなので、長湯をすると血流がよくなります。
極端な話、毛皮の帽子をかぶるのもいいと思います。とにかく温めると血管が開くので、そのときは血流がよくなっているんですよ」
――食生活で薄毛を改善できることは?
「体を温めるようなものを食べるといいですよ。生姜とか、唐辛子とか。唐辛子が発毛に効くというサプリもあって、温めるという意味ではそれなりには効きます。ただ、実際は毛が生えるほど効かせるのは難しく、予防的なものですね。とにかく体を温めていれば卵巣は健康を保てますので、飲まないよりも薄毛にはなりにくくなると思います」

キーポイントは“血流”をよくすること
冷房に頼らず汗をかく、きちんと寝る…
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