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長文LINEを送って結婚を逃した32歳女性。「無言の要求」がウザすぎた

 ふたりが次に会ったのは、ミズホさんの誕生日を祝うディナーの日でした。ずっと行きたがっていた人気のフレンチレストランを、彼は密かに予約してくれていたのです。これにはミズホさんも大満足。やがてバースデーケーキが運ばれてくると、彼はプレゼントと言って小さな箱を差し出しました。「似合うと思う、開けてみて」 誕生日のディナー その箱の平たい形を見て、中身が指輪でないことを察したミズホさん。呆然としながらも、促されるまま箱を開けると、中にはピアスが……。ミズホさんはつぶやくように言いました。 「指輪じゃないんだ」  そして彼を責めるように、「付き合ってもう半年だよ? 私ももういい年だし。いつ結婚するの?」 「もちろん考えてはいるよ。それくらい大切な人だから、こうしてお祝いしてるんだけど……」  彼は冷静に続けます。「ミズホは、思い通りに俺が動かないと、泣いたり怒ったりするよね。ミズホが求めるような完璧な人になるのは、俺は無理かもしれない。不満そうにさせてばかりで申し訳ない。ミズホは、ミズホが求めるとおりにできるような男の人を探したほうが幸せだと思う」  思いもよらない彼の言葉に慌てたミズホさんは、必死に彼をなだめようとしましたが、彼の表情は硬いまま。楽しい思い出になるはずだったディナーは、台無しになってしまいました。 理想と期待自分のことを想ってくれる人がいるだけで幸せなのに、どうして不満ばかり言ってたんだろうと思います」  ミズホさんの耳には、彼から貰ったピアスがありました。「理想を押し付けてたんですよね」  別れてこそいないものの、しばらく距離を置こうと言われてしまったミズホさん。反省の気持ちと、会って話したいというLINEを送りましたが、まだ返信はありません。自分勝手だった考え方を反省しながら、今日も彼からの連絡を待ち続けています。 <TEXT/筒井あかり>
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