「膣圧」はセックスしないと下がる?医師が教える測り方・鍛え方
パートナーのちょっとした言動がきっかけで、膣のゆるみが気になりだしたという女性は意外に多い様子。
最近は膣圧を数値化できる「膣圧測定」をおこなっている医療機関も見かけるようになりましたが、適切な圧力がどのくらいなのか、自分が本当にゆるいのかどうかを正しく知っているという人はあまりいないようです。
そこで、女性医療クリニック・LUNAグループ理事長の関口由紀先生に、「膣圧」の正しい知識について伺ってみました。
――そもそも膣圧とは?
関口由紀先生(以下、関口)「膣圧は骨盤底筋の収縮で膣内にかかる圧力のことです。骨盤底筋は、膀胱、子宮、直腸を支えて排泄をコントロールしている、恥骨から尾骨に張るプレートのような臓器。主に筋肉とじん帯、筋膜で出来ていて、通常は5~7センチほどの厚みがあります」
――よく膣圧が高いとか低いとか言われますが、どのくらいが適正なのでしょうか?
関口「感覚としては、膣をぎゅっと締めて持ち上げられれば正常です。ただ、出産や運動不足、加齢による女性ホルモンの低下などで、骨盤底筋が傷んだり筋力が落ちたりすると、膣圧も低くなります。
骨盤底筋が弱って排泄機能や支持機能が落ちると、尿漏れや骨盤臓器脱、性交痛をはじめとする女性性機能障害などさまざまなトラブルを招いてしまうので、そのような症状がある場合は医療機関を受診してくださいね」
――膣圧は骨盤底筋のバロメーターなんですね。
関口「骨盤底筋は何もしなければ加齢とともに衰えていくだけなので、症状がなくても、膣圧が低くなってきたと感じたら骨盤底筋の機能を意識したほうがいいでしょうね。ただ、骨盤底筋の強弱には遺伝も関係していて、骨盤底筋の弱い家系なら、出産していない若いうちから症状のある方もいます」
――自身の膣圧を正しく知ることはできますか?
関口「きちんと数値で知りたければ、『膣圧測定器』で測ることもできますよ。膣に測定器を挿入して力を入れると、圧力と持続時間がわかります。収縮圧が20~40くらいあれば、日常生活に支障がないとされています。でも、病気などの心配がないなら、わざわざ医療機関で計らなくても自宅で簡易的に計れる方法で十分だと思います」
――自宅で測る方法を教えてください。
関口「人差し指と中指の2本を第2関節あたりまで膣に挿入し、その指を45度くらい開きます。そのまま膣に力を入れて、指にかかる圧を5段階でみるんです。
スケール1:収縮が感じられない
スケール2:収縮は感じられるが、指が閉じることはない
スケール3:指に力を入れて抵抗を持たせていないと指が閉じる
スケール4:抵抗を持たせた指でも閉じる
スケール5:抵抗のある指を閉じて持ち上げることができる
スケール3以上であれば、性交渉でオーガズムも得られるし、尿漏れなどの心配もありません」

膣圧は骨盤底筋のバロメーター
膣圧を自分でカンタンに測る方法
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