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娘の子供と恋人を奪おうとする母…「毒母」を描いた新作映画2選

 こんにちは、映画ライターの此花さくやです。

 母親というものは子供を育てるうちに、子供と自分の人生が同化しているような錯覚に陥るもの。特に、同性の娘に対しては、そんな想いが強くなりがちです。

 今回は、仲が良いにもかかわらず、実は娘の運命を狂わせてしまう毒母のタイプ2つを新作映画からご紹介します。

1.「女友達」タイプの毒母/『母という名の女』


『母という名の女』より

『母という名の女』より

 6月16日に公開される『母という名の女』では、“女友達”タイプの毒母が登場します。

 舞台はメキシコの海辺に建つ美しい別荘。そこに2人きりで住む姉と17才の妹バレリア(アナ・バレリア・ベセリル)。同じ17歳の恋人の子供を妊娠しているバレリアは、出産間近です。バレリアの恋人からは金銭的な援助も期待できないことを不安に思った姉は、バレリアが嫌っている母親のアブリル(エマ・スアレス)に助けを求めます。

『母という名の女』より

『母という名の女』より

 久しぶりに再会した母親は、バレリアの面倒を献身的にみてくれるように。最初は警戒していたけれど、なんでも話せて、頼れる女友達のような母親を信頼していくバレリア。

 ところが、母親は子供が生まれると、バレリアには育児が無理だと非難し、自分が育てようとします。そして、あろうことか、バレリアの恋人とも怪しげな雰囲気に……。

『母という名の女』より

『母という名の女』より

 母親なら無償の愛情を示して助けてくれるはず、という母性神話をいとも簡単に壊してくれるのが本作なんです。

 母親のアブリルは、自身も17歳で出産し離婚。元夫は若い女性と再婚しており、それを気にしている様子です。アブリルは口癖のように、ヨガの経験もないのに「オンラインでヨガを教えようと思う」と言います。当然ながらその夢を実現することができず、自分の人生の主役になれない母親は、娘の人生の主役になろうとします

『母という名の女』より

『母という名の女』より

 アブリルのように娘の子供や恋人を奪おうとするほどの毒母は珍しいですが、普段は優しいけれど、娘が“よい子”でなくなった途端キレる母親、自分の果たせなかった夢を娘にたくす母親は珍しくありません。自分の人生を生きていない母親は、女友達のように見えて、いつか毒母に豹変するかもしれません。

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「ダメ出し」タイプの毒母/『レディ・バード』

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◆『母という名の女』
6月16日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
配給:彩プロ

◆『レディ・バード』
6月1日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショー
配給:東宝東和
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