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『あな家』最終回。不倫された側の男女がくっつく事態は現実にある

亀山早苗の不倫時評――『あなたには帰る家がある』の巻 vol.5>

 不倫に揺れる2組の夫婦を描く話題のTBS金曜ドラマ『あなたには帰る家がある』(金曜、夜10時)は、いよいよ22日に最終回。玉木宏&中谷美紀が演じる夫婦と、ユースケ・サンタマリア&木村多江が演じる夫婦、結末はどうなるの?

 不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)



浮気された側の2人に恋がめばえる!?


『あなたには帰る家がある』9回目は、二組の夫婦が入れ替わるのかという憶測をもたらしながら終わった。玉木宏と木村多江の不倫によって、「不倫された側」の2人、中谷美紀とユースケ・サンタマリアが急接近するのだ。

 実際に入れ替わることはないだろうが、現実に既婚者同士のダブル不倫から、「夫(妻)に浮気された同士」が関係をもってしまった例を、筆者は知っている。

 ドラマの中で、真弓(中谷美紀)の上司である由紀(笛木優子)が、「男と女なんて、どこでどうなるかわからないんだから」と言うシーンがある。まさにそうなのだ。自分の配偶者が浮気をし、二組の夫婦が話し合っているうちに不倫相手の配偶者のよさを知ってしまう。そんなことだってあり得るのだ。

「離婚して、私たちも一緒になりましょうか」


 かつて取材した例だが、二組の夫婦はトモコさんとリュウジさん、カナエさんとダイスケさん(すべて仮名)。全員40代、それぞれ10代後半の子どももいる。しかも4人とも同じ企業に属していた。

 同じ部署のトモコさんとダイスケさんが恋に落ち、それぞれの配偶者の知るところとなった。カナエさんは気の強い女性で、夫の不倫が許せない。自宅に不倫相手であるトモコさんとその夫・リュウジさんを呼びつけて話し合うことにした。


 何度話し合っても、トモコさんは「別れる」と言わない。夫もはっきり決別の意を示さない。カナエさんに言わせると、「トモコさんは話し合いの最中も、しょっちゅううちの夫に色目を使っていた」そうだ。

 あるとき業を煮やしたカナエさんは、トモコさんを殴りつけた。トモコさんは泣きながら家から出ていく。それをいち早く追ったのはカナエさんの夫・ダイスケさんだった。

 カナエさんはこう話す。

「トモコさんの夫・リュウジさんと私が取り残されてしまった。ふたりで顔を見合わせて、ずっと黙り続けていました。そのうち、なんだかバカバカしくなってきて、『お茶でも飲みますか』『ビールありますか』という話になって。ふたりでビールを飲んで四方山話(よもやまばなし)。互いの配偶者の話は避けるから、学生時代のことなんか話したりしてたら、案外、気が合うんですよ」

 それからはときどき、互いの配偶者の情報交換と称してふたりで会うようになった。それぞれ配偶者を愛しているのに、その気持ちが空回りしているつらさがわかっている。ふたりの心の距離はだんだん近づいていった。

「私が冗談で、離婚して私たちも一緒になりましょうかって言ったんですよ。そうしたらリュウジさんがまじめな顔をして『それもいいかもしれない』と。お酒が入っていたこともあって、なんだか妙な雰囲気になり、ホテルへ行ってしまったんです」(カナエさん、以下同)

 だがそのとき、彼は男としての機能が果たせなかった。やはり妻を裏切ることができなかったのだ。

「逆に私は感動してしまいました。これほどまでに妻を愛しているのに、トモコって女はそれをちっともわかっていない、と」

 この人にトモコさんを返してあげたい。そう感じたそうだ。

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この2組の夫婦は、結局どうなった?

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