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『あな家』最終回。不倫された側の男女がくっつく事態は現実にある

「夫と妻」「父と母」の役割に慣れすぎている夫婦

 この二組の夫婦は、不倫が発覚してから3年以上にわたってモメにモメたが、最終的に夫婦は元のサヤに収まった。  夫婦といえども男と女のはずなのだ、本来は。だが夫と妻という役割を背負い、さらに父と母というもっと重い役割を担うと、男女の側面は抜け落ちていく。だから外で「異性として見られる」と、そこに新鮮さと「素の自分でいられる心地よさ」を感じて恋に落ちる。  家庭で「素の自分」を配偶者に見せることは不可能なのだろうか。 手をつなぐカップル「私たち夫婦も、あのあといろいろ話したんです。完璧な夫婦なんてないし、親として子どもを育てるためには『男女』でいることがむずかしい時期もある。一生お互いしか見ないなんてことも無理だろう、ときにはよそ見をしてもしかたがないかもしれないって。私だって正直言って、リュウジさんに気持ちがいきかけたこともありますから。  ただ、夫の不倫があって初めて、私はもう一度、夫を“ただの男”として見ることができた。だらしなくて情けなくてしょうもない人だけど、嫌いにはなれなかった、憎めなかった。だから知り合う前の気持ちに戻ってやり直そうと思えた」

夫のよさを素直に認められるようになった

 あれから5年たった今でも、当時のことを思い出して夫にケンカをふっかけることもある。謝り続ける夫を「あきらめにも近い気持ち」で許しながら、それでも夫のよさも以前より素直に認められるようになったという。 「夫婦って慣れきってしまうんですよね。毎日そこにある家具と同じ。あるときは気づかないけど、なくなって初めて、『あれ?』と思うようなものなのかもしれない。慣れていくよさと新鮮さをどうやって両立するのか。そこを考えながら年をとっていきたいですね」  いて当然の存在だからこそ、いる間に気持ちを伝え続けていかなければいけないのかもしれない。人間はいつどこでどうなるかわからないのだから。 <取材・文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【亀山早苗】 フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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