結婚して5年、同い年の夫と4歳の娘との3人暮らしをしているミナさん(36歳)は、昨年、夫に不倫疑惑が発覚したとき、夫のあらぬ言い訳を聞いた。
「なんだか様子がおかしいなと思っていたところへ外泊。その日は娘の誕生日だから早く帰ってくると言ったのに帰ってこない、連絡もつかない。
明け方4時ころ、こっそり帰ってきた夫をリビングで待ち受け、『何してたのよ』と怒鳴りつけると、夫はひきつった顔をして『
オレ、宇宙人にさらわれて』とひと言。はあ? って感じですよね」

ア然とするミナさんに、夫は滔々と、宇宙人にさらわれて宇宙の家に連れて行かれた、おもてなしをされたが、
うちに愛する妻と子どもが待っていると言って帰してもらったんだとまじめな顔で言い続けたのだという。
「宇宙船で帰ってきたというから、
どこで下ろしてもらったのよと聞いたら、東京の新宿歌舞伎町だと。あまりに怖くてそこからタクシーで帰ってきたというんです。あきれて責める言葉を失ってしまいました」
その後、夫はごく普通に生活している。3ヶ月ほどたったとき、「そういえば宇宙から何か言ってこないの?」と尋ねると、「何も言ってこない。オレみたいな普通の人間は彼らにメリットがないってわかったんじゃないかな」という答え。
「今のところ、アヤシイ言動もないので、私としては
あの日、彼女からフラれたんじゃないかと憶測しているんです」
それにしても宇宙人と言われてしまうと、確かに返す言葉がない。とっさについた嘘なのか、何かあったら宇宙人を引き合いに出そうと決めていたのか……。
男たちの「とっさに口をついて出たヘンな言い訳」は他にもたくさんある。浮気という大胆なことをするくらいなら完璧な嘘のひとつくらい用意しておくべきなのだが、男ってやつは、なぜかリスク管理が甘いのだ。
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亀山早苗の不倫時評――
<文/亀山早苗>
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【亀山早苗】
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『
復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数