『黄昏流星群』せつない最終回を振り返る。佐々木蔵之介と中山美穂の夫婦はどうなった?
家を飛び出していくオンナたち
そこからはパートをかけ持ちしながらひとりで生活しているが、「こんな自由を味わったのは生まれて初めて」と笑う。職場で昼も夜もまかないがあるから食費もかからない。毎日10時間くらい働いて、ときどき友人と飲みに行く。生まれて初めてパチンコもやったし競馬もやった。
実は彼女は裕福な家のひとり娘で、夫の社会的地位も高かった。だがそんな「虚飾」を振り捨てた今が、いちばん幸せなのだという。
「離婚した時点で実家とも縁を切られたけど、だからこそ天涯孤独の自由がある。そういう生き方があってもいいんじゃない?」
とことん“自由”な生き方こそ、彼女が求めていたものなのだろう。なかなかそこまで吹っ切れる人は少ないが、彼女は50年以上、自由ではなかったのだということでもある。
ドラマのように自由になれて、自分のやりたいことができて、なおかつ寄り添う人がいる。そんなふうに何もかも手に入ることは現実ではめったにないだろう。ただ、自分の覚悟さえあれば、コズエさんのように楽しく生きていくことはできるのだ。
「孤独死は怖くないかとときどき人に聞かれるけど、孤独死上等って答えてる(笑)」
ここまで言えたら、人生、勝ち組なのかもしれない。
<文/亀山早苗>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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