Entertainment

世紀のドロドロ三角関係。世界的歌姫と元大統領夫人がモテ富豪を取り合い

ギリシャの海運王アリストテレス・オナシスとの出会い

アリストテレス・オナシスとクルージングを楽しむマリア

アリストテレス・オナシスとクルージングを楽しむマリア/『私は、マリア・カラス』より

 マリアよりも17歳年上、ジャッキーよりも25歳年上のアリストテレス・オナシスは、タバコ商から造船帝国を築き上げたギリシャ人の男性でした(※1)。学歴はないものの、6ヶ国語をあやつり教養も高かった彼は、カリスマのあるプレイボーイ。  オナシスとマリアが出会った頃、マリアは既に世界的なオペラ歌手として人気を博していました。彼女は、貧しい駆け出しのオペラ歌手のときに経済的に支えてくれた、30歳年上のイタリア人実業家ジョヴァンニ・メネギーニと結婚していましたが、マリアのマネージャーも兼ねる彼は、彼女のギャラを内緒で自分の事業や投資に回すなどしてマリアの信頼を失っていました。  オペラには全く興味のないオナシスでしたが、同じギリシャ人の女性マリアに興味を覚え、2人は恋に落ち、オナシスは離婚します。マリアの名声とお金に執着した初老のメネギーニとは違い、オナシスは逞しく情熱的で、マリアが自分を“普通の女”と感じられる初めての男性でした。 「初めて、女であることの意味を理解しているの……私の歌、私のキャリア――それらはみんなアリの後回しにしなければならないのよ」と語ったマリア(※2)。そして、オナシスも自分の女版のようなマリアを愛し、彼女と一緒にいることで自分の存在が世界的に注目されることに満足したのです。

オナシスの裏切り

 メネギーニの離婚が片付き、オナシスからの求婚を今か今かと待っていたマリア。しかし、彼は故ケネディ大統領夫人のジャッキーと結婚してしまいます。ケネディ大統領が暗殺された5年後のことでした。 「私は君を愛している。ジャクリーンは必要なのだ」とマリアに語ったオナシス(※2)。オナシスはジャッキーを通してアメリカの上流階級に食い込みたいと考えたのです。マリアはオナシスの結婚式の当日、ラジオやテレビを一切つけず部屋に閉じこもって泣いていたそう。  オナシスにプロポーズされたとき、ジャッキーは絶望のドン底にいました。夫ジョンに続き、ジョンの弟ロバートの暗殺事件。そもそも、静かな生活が好きなジャッキーはファースト・レディになることは望んでおらず、ジョンの度重なる浮気にも苦しんでおり、幸せな結婚生活を送っていなかったのです。
※Amazonより

※Amazonより

 さらに暗殺事件の後、彼女は自身と子供の安全が不安でなりませんでした。加えて、自分を追いかけ回すマスコミ。自分をアメリカから救い出してくれる外国人のオナシスは、白馬に乗った王子様に見えたのです。たとえ、オナシスが自分の妹リーと関係していた過去があったとしても……。
次のページ 
三角関係の行方
1
2
3
Cxense Recommend widget
『私は、マリア・カラス』は12/21(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー 配給:ギャガ
あなたにおすすめ