30歳で貯金はゼロ…。バックパッカー女性を襲った現実、人生がクレイジージャーニーに
ゲストハウスなどの安宿を泊まり歩き、屋台や安食堂で腹を満たすバックパッカーたち。
1日あたりの滞在費はツアーよりも安いですが旅行が長期におよぶため、トータルの費用ではかなりの額になるようです。
これまで世界40か国以上を訪れたという宮村愛菜さん(仮名・30歳/派遣社員)もそんなバックパッカー女子のひとり。けれども、30歳という節目を迎え、「もっと違う生き方があったのでは?」と後悔するようになったといいます。
「20代の間は、派遣の仕事をしながらお金が50~100万円貯まったら数か月旅に出るという生活を繰り返していました。旅は刺激にあふれ、自分の好奇心を満たしてくれましたが、これでいいのかなって思うようになったんです」
家財道具はダンボール4箱程度しかなく、少し前まではシェアハウス暮らし。旅の間は賃貸契約を解除し、荷物をトランクルームに預けていたそうです。
このようにして家賃はもちろん、食費も節約して旅の費用を貯めていましたが、どんな心境の変化があったのでしょうか?
「旅先で知り合った女友達が次々と定職に就いたり、結婚して自分だけ取り残されたような気がしたんです。そんなあせりもあって、世話好きの叔母が持ち掛けてきたお見合いの話を受けたんです」
愛菜さんは東北の農村の出身。両親は彼女が長旅を繰りかえすことを快く思っていなかったため、娘の決断を大いに喜んだとか。
「親もお見合い結婚でしたし、私自身も真面目で優しい人であればお見合いでも構わないと思っていました。実際、紹介された相手の男性はそんなタイプでした」
地元で市役所に勤める2歳年上の男性は決してイケメンではなかったそうですが、公務員ということもあって結婚するには申し分ない相手。両親も気に入り、愛菜さんも交際を前向きに考えて連絡先を交換し、2人でドライブに行く約束もしていました。
ところが、デートに行くことはありませんでした。
「お見合いの日の夜、叔母を通じてお断りの連絡があったんです。別れた後、彼からは『今日は楽しかったです』とLINEのメッセージが届いていましたし、まったくの予想外の展開でした」
叔母によると“旅行が趣味”という部分に引っかかったらしく、「価値観が合わない」といった内容のことを言われたそうです。
「さすがにドン引きされたらマズいのでバックパッカーであることは伏せていました。でも、派遣社員であることは彼に言ったので、貯金せずに旅ばかりしていると思われたのかもしれません。実際、それはまぎれもない事実なので……」
とはいえ、その理由で断るような男性は、愛菜さんにとっても「価値観が合わない」でしょうから、今後の長い人生をともにすることを考えると、早めにストップしておいてよかったのかもしれません。
貯金が100万円以上貯まったことがない!

お見合い相手に「海外旅行好き=貯金できない人間」扱いされた

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