親に性的虐待された内田春菊が語る「被害女性を叩く人たちの頭の中」
性的虐待は、愛情でも可愛がりでもない
――どのように話すのがいいでしょうか?
内田「加害者がしたことをきちんと抜き出す形で、客観的に伝えるのがいいと思います。ちなみに、私は当時中学生でしたが、育ての父よりボーイフレンドの方がペニスが大きかったので、その事実を小説に書いて、裏でみんなと爆笑していましたよ。もしそういう知恵があれば、相手をとことんバカにもできておもしろいです(笑)。
逆に、真面目な人ほど『そのときは自分も普通に幸せなセックスなんだと思おうとしていた』みたいな語り方をしてしまうので、そこは用心してください。その感情が自分を苦しめているから言いたくなるかもしれないのですが、絶対に言ってはダメです」
――事実のみを話せば、きちんと伝わりそうですね。
内田「以前一度だけ、娘に性的虐待をしていた父親の話を聞いたことがあるのですが、娘さんに『私のこと好きなんでしょ?』って聞かれたときの話をしながら、『そういうことじゃないんだけどね』って言ったんです。つまり、性的虐待は、恋愛感情とか、愛情で可愛がっているとか、そういう感覚ではなくおこなっている人がいるということです。そもそも、人間として可愛がるなら、強い立場から相手のカラダをいいようにしようなんて、まずしませんから。人に話すときは、そういう視点を忘れないでほしいと思います」
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3回に渡りお届けしてきた内田春菊さんインタビュー、いかがでしたか?
つらかったはずの経験を、終始笑いを交えながら穏やかに語る内田さんの姿が印象的だった今回の取材。何十年経っても癒えることはないであろう過去に向き合った内田さんの思いが、多くの女性の心に響いてくれたらと思います。
<取材・文/千葉こころ>
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自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中


