「俺の稼ぎで食べてるクセに」。生活のために耐えるセレブ妻の胸の内
離婚したいけど、がまんする――。そんな妻たちの最大の理由は、「別れたら生活苦になる」という経済問題でしょう。特に、日本のひとり親世帯の50.8%が貧困状態(※)という現実があり、その大半は母子家庭です。
経済力がないために別れない道を選んだ、あるセレブ妻に話を聞きました。
由紀子さん(20代・仮名)は、いわゆるセレブ婚をしました。就職して3年目に、交際3年の彼と入籍。1年間は働きながら家事をする生活を送っていましたが、妊娠を機に体調悪化で退職しました。
夫は金融機関に勤めるいわゆるハイスペックです。結婚したときから、「お前の給料って、毎日頑張って働いても月30万もいかないだろ?」が夫の口癖だったそうです。
そして、つわりに苦しみ通勤するのがやっとという由紀子さんを見て、「そんなんだったら、働いた分の金額を生活費として渡すから家にいろ」と言う夫。
由紀子さんは、「夫の包容力を感じて、ありがたいとさえ思いました」。確かに、共働きでもカツカツの家庭からしたら、うらやましい話でもあります。
「たいした金額しか稼げないのに、毎日通勤するほうがコスパも悪いし無駄だ、って旦那は言うんです。それに、家にいて子育てするのも立派な仕事ですから」(由紀子さん、以下同)
ところが徐々にわかってきたのは…この夫、完全なるモラハラ男だったのです。
「子供が生まれて24時間365日寝不足になって、以前のように家事が行き届かない日々が続きました。罪悪感はあったんですが、体力が追いつかなくて。
それに、うちの子は発達が遅い傾向があったんです。なかなか話さないとか、偏食程度なんですが」
そのうち夫は、こんな言葉を言い放つようになったのです。
「お前は、誰でも出来る家事がなぜ出来ないの? ウチのお袋は子供をもっと産んで、生活費もウチより少なかっただろうけど、もっときちんとこなしていた」
「母親に向いてないよね。誰でも出来ることができないとか、価値がない」
「俺が、専業主婦のお前を手伝うほどヒマだと思うか?」
「お前は世間を知らないくせに」
「俺の稼ぎで食べてるクセに」などなど――。
“俺が稼いでるんだから逆らうな”という姿勢が、どんどん強くなっていったのです。
「外に出ていないから何も知らないくせに、という言葉には耐えかねました」と由紀子さん。そして、「子供がもう少し大きくなったら保育園に預けて働こうと思う」という提案を夫にします。
しかし「俺くらい稼いでくるなら認めてやる。外で働いても家事は今まで通りしっかりしろ」が決まり文句だったそう。
「たいして稼げないんだから無理するな」は夫の思いやり?
夫のモラハラ体質が明らかに
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