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夫の世話に明け暮れた主婦の物語。女は何歳になっても生き直せるのか

哀しみと絶望を抱えた人生の終着駅とは

 本作を上映する映画祭やプロモーションで40カ国以上を回ったというパラオロ監督によると、ラストシーンの解釈は人によって様々だったと言います。作中、アンナの顔のクローズアップのシーンは多いのですが、ラストシーンではアンナの背中しか見えず、彼女の表情は観客が思い描くしかありません。それも、監督が観客に与えたかった“想像の自由”なのだとか。
『ともしび』より

『ともしび』より

 「本作のアンナを通して、観る人が自分自身を発見してくれれば嬉しいです。人生において正しい決断や行き先なんてないかもしれない。自分で考え、自分なりの答えを見つけてほしいと思います」  愛する人と一緒にいられることは幸せですが、その幸せも日々の妥協や犠牲によって、いつとはなしに共依存的関係へと変化することもあります。自分のアイデンティティを保ちながら、対等で幸福な結婚生活を続けるのは可能なのか――。老いてもなお、自分自身を再生することはできるのか――。  本作は、映画館に座っているだけで人生の答えがもらえる作品ではなく、自ら積極的に物語とコミュニケーションをとるべき作品。そうすれば、私たち女性が抱える闇を照らしてくれる光を見つけることができるかもしれない――そんな大人の女性のための珠玉の1本です。 <文/此花さくや> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 2017 (C) Partner Media Investment – Left Field Ventures – Good Fortune Films
此花わか
映画ライター。NYのファッション工科大学(FIT)を卒業後、シャネルや資生堂アメリカのマーケティング部勤務を経てライターに。ジェンダーやファッションから映画を読み解くのが好き。手がけた取材にジャスティン・ビーバー、ライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、デイミアン・チャゼル監督、ギレルモ・デル・トロ監督、ガス・ヴァン・サント監督など多数。Twitter:@sakuya_kono Instagram:@wakakonohana
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『ともしび』は2月2日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー 配給:彩プロ


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