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樹木希林さんの名言集が連続ベストセラーに。迷える女性の心にしみる

 昨年9月に亡くなった樹木希林さん(1943-2018)。彼女が生前に残した名言を集めた本が、女性たちから大変な支持を集めているんだそうです。
『樹木希林 120の遺言』

『樹木希林 120の遺言』(宝島社)

一切なりゆき~樹木希林のことば~』(文春新書、2018年12月20日刊)は55万部発行、『樹木希林 120の遺言』(宝島社、2019年1月28日刊)は発売即重版で20万部発行と勢いが止まりません(いずれも2月6日時点)。  そこで、この2冊の中からピックアップして、改めて希林さんの魅力について考えてみたいと思います。

①<揺るがぬ強さの秘密>

「欲や執着があると、それが弱みになって、人がつけこみやすくなる。」 (『一切なりゆき』 p.36)  希林さんを見ていて、少し怖いと感じたことはありませんか? 向き合った瞬間に全てを見抜かれてしまいそうな迫力がありましたよね。そんな冷静さのもとにあったのが、物事に執着しないことだったといいます。 “これだけはゆずれない”とか、“どうしても欲しいものがある”とかが相手に見えてしまっては、弱点やコンプレックスを晒しているのと同じ。そんな虚勢を張るより、普段から当たり前の生活を当たり前にこなす方がよほど大事だと言っているのですね。  だから、希林さんは挫折をしたことがないのだそう。夢を持ったり、何かを目指したりすると、評価の基準を自分の外に置いてしまいがちになる。それもまた、欲や執着から生じる弱みにつながってしまうのでしょう。
一切なりゆき

『一切なりゆき』(文春新書)

②<悲劇の主人公になってはいけない>

「端から見て良さそうに見えているものが、案外その人にとって辛かったりするものがあるから、みんなそれぞれだから。」 (『樹木希林 120の遺言』 pp.140-141)  これは女性だけでなく、男性にも戒めとなる言葉。人生、思った通りにならないと感じたとき、自分以外の全ての人が、幸せそうに見えてしまう。希林さんは、そんな弱った心を一喝してくれるのです。 「あんただけがさみしいわけじゃないよ、あんただけが辛いわけじゃないよ、ね。能天気なように見えるけど、それはそんなに幸せじゃないよっていうようなものだから、もう自分の感覚を全部マイナスになりそうなときに、マイナスに考えないっていうね。」  もちろん、精神衛生上、ひとつのテクニックとして社会や世間を恨んでみるのもアリですが、本気でそう思い込んで、恨みつらみに心を支配させてはいけない。そんなことを教えてくれる一言です。

③<致命的なブサイクにならないために>

「『私が』と牙をむいているときの女というのは醜いなあ。」 (『一切なりゆき』pp.150-151)  どっかの政府が、“すべての女性が輝く社会づくり”なんて言っているそうですが、そもそも女性が輝くって、どういうことなのでしょう? 希林さんは、こう考えます。 「根本的に自分が存在していることが申し訳ないとか、恥ずかしいと思えたときに、女って色っぽいんだなと思うんです」  なかなか議論を呼びそうな発言ですよね。でも希林さんは同時に現代社会の病を見据えています。 「世の中が『私が』を主張するようになってきたということは、そういうことをしないと自分がいることが確かめられないという心もとなさなのかなと思うんです。」  つまり、「私が」と攻撃性が強まるほどに、逆に満たされなさや報われなさが目立ってしまう。そのことに気づけない女性が(男性も)、哀しく醜いと言っているのですね。
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あんまり深く考えない
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