引退した柔道・松本薫さんのアイス屋で実食レポ。“身体にいいアイス”ってどんな味?
季節を問わず、アイスクリームと向き合っているアイスジャーナリストのシズリーナです。
今月7日に引退会見を行った、2012年ロンドン五輪57キロ級・柔道金メダリスト松本薫さん(31)が、第二の人生として「アイスクリーム屋を始める」と公表し、世間と“アイスクリーム業界”をザワつかせました。
「アスリートとして減量とかある中で、毎日食べられるアイスがほしいと思っていた」と話していた松本さんが、ついに12日、東京・高田馬場にある「Darcy’s(ダシーズ)」(東京富士大学5号館内 1階)をオープン。アタシも早速、取材してきました!
松本さんは現役時代からアイスが好き。「体調に気を使うスポーツ選手でも気軽に食べられるように」と、彼女がたどり着いたのが乳製品、白砂糖、小麦粉を使わず、ココナッツミルクや豆乳をベースにした「ギルトフリー」のアイスだったそうです。
「ダシーズ」のホームページによるとギルトフリーとは、「guilt(罪悪感)とfree(無い)を組み合わせた言葉。つまり、身体に悪いものが入っていない、食べることが身体にプラスになる、罪悪感を感じずに食べられるアイスクリームを目指しています」とのこと。美味しくて健康にも良いなんて、嬉しい発明ですよね。
現在、「ダシーズ」のメニューは「ココナッツミルク×チョコクッキー」と「豆乳×焦がしキャラメル」の2種類のみ。もちろん両方注文しました! どちらも口の中で素材の味や生の香りをハッキリと感じ取れ、溶けるではなく“ほぐれる”食感のアイスクリーム。
ココナッツミルクをベースとした「ココナッツミルク×チョコクッキー」は、まるで女王様の馬車に乗って初夏の香りを嗅いでいるような(妄想)……爽やかな香りと味にうっとりしてしまいました。手作りのチョコクッキーが、浮かれた気持ちをビターな大人の味でしっかりと落ち着かせてくれます。
一方、豆乳をベースとした「豆乳×焦がしキャラメル」は、クリーミーかつさっぱりとした後味の仕上がりになっており、焦がしキャラメルキャンディとナッツを奥歯で砕くと強い香りを放ちながら豆乳アイスのコクを引き立たせ、食感も楽しめ物足りなさを感じさせない仕上がりです。
すべてを食べ終え、一番驚いたのは喉の乾きがさほど感じられず、食べ応えよりも軽い口当たり。なるほど、さすが「ギルトフリー」も売りにしているアイスなだけあります。ということで、完全に松本さんの得意な寝技で胃袋を押さえ込まれてしまいました。
店名の「ダシーズ」の由来は、日本特有の“出汁”を使って、世界に広まるアイスを開発したいとの思いが込められています。アイス業界でも世界を目指すために、アイスクリームの製造機にはイタリアの老舗メーカーであるカタブリガ社製のジェラート製造機を起用しています。
実は、氷菓子(アイスクリーム、ソフトクリーム、ジェラート、かき氷)の中で、唯一世界大会があるのはジェラートのみ。このジェラートのワールドカップは2年に一度開かれており、3日間7種目で美しさ、味、技を競い、世界一を決めます。次回は2021年に行われるため、そこを意識してジェラート製造機でアイスクリームを作っているのではないか……と考えると、アイスジャーナリストとしては実に興味深いです。
アイスが大好きだからこそ「罪悪感なしのアイス」を生み出した
素材にこだわったアイスを実食! 口のなかでほぐれる
日本の“出汁”を使って、世界に広まるアイスを開発したい
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