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空港グランドスタッフの、美人で怖〜い先輩達…「死んだら?」と怒られた大失敗

仕事はやって覚えろ。アクの強い美人の先輩たち

 そんなビジネス英語の洗礼を受けながらふと思ったことが。「あれ、資料少なくない?」問題。グラホの仕事内容は採用試験の前に調べていたけれど、入社後にもらった資料の内容では対応できないよね? と。 いじわるな先輩たち というのも、なんと当時のこの会社は「やって覚えろ」体質だったのです。座学のOJTは三日くらいしかなくて、あとは先輩についてチェックインカウンターに入るという。  しかも、その先輩たちが本当に本当に本当に、怖かったんですよ。あとから聞いた話だけれど、私たちが入社した時期の先輩方は歴代の中でも、それはそれはキレイという評判の人ばかり。まさに花形の職業という感じだったし、他社の男性社員たちも「◯◯のグラホは美人揃いだ」と見物に来ていたくらいですから。それでいて、キレイな花にはなんとやら、期待を裏切らない怖い人ばかり。外から見ただけではわからないんですよ。

空港に響き渡る“涙の館内アナウンス”

 座学が終わり、いざ先輩と一緒にカウンターに立った初日。「じゃあチェックインしてみてよ」、って! 入社四日目の出来事です。  日本人のビザが不要な国への旅行というもっとも難しくないチェックインはなんとかクリア。基本中の基本。問題はその後。何名ものチェックインを済ませ、慣れてきた頃に試練はやってくるものです。  確かあれはロシア人旅行客だった。ロシアの人の名前って長いし読み方がわからないし、渡航書類のチェックもしなくちゃいけないし(英語で)、荷物もだいたい重量オーバー。「難しい人きたー」で、先輩と交代かなと思ったら、強い目力と威圧感に満ちた声で「やって」のひと言。こんなキレイな人が出す声色ではない暗く重いトーンで。 プレッシャーを感じるビジネスウーマン 断ることなんてできません。ノートや資料を見ながら必死にチェックインをしました。すると、ひと息つく間もなくカウンター責任者から内線が。「あんた、誰をチェックインしたの!!」の言葉が飲み込めずにいると、私がさっきチェックインをして搭乗券を渡した旅行客が実は違う人だったという“ミスチェックイン”が発覚したのです。  簡単に言うと、別人をチェックインしてしまったのです。後から本物が登場して、予約を見たらチェックインが済んでいるという状況です。ミスチェックインをしてもシステムではエラーが出ない時代だったものだから搭乗券の発行もできてしまいました。  もう、これ一大事ですよ。そもそも別人だし、その人の名前で荷物も貨物エリアに流しちゃってるし、やらなくてはいけない処理がたくさん! 新人には何をどうしたらいいのか。頭が真っ白になりながら上司に謝罪し、指示を仰ぐと、「バカ! あんたに出来ることはさっきの間違えた人を呼び出して見つけてチェックインし直すくらいしかないんだから、さっさとやりなさいよ」と。  そしてダメ押しの「信じられない! 死んだら? はぁー」というお言葉…。
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涙のアナウンスが空港に響き渡った
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