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13歳の女子中学生CEOの会社は年商6億円。開発した虫歯予防キャンディって?

 アメリカでは小学校の頃から投資や保険など、お金に関するあれこれを学びます。学校によっては“ごっこ感覚”でアントレプレナー教育(起業家育成教育)をするところもありましょう。
小学校授業子どもたちクラス

写真はイメージです

 そんな国ですから、年商600万ドル(≒6億5000万円)を叩き出す女子中学生CEOが出たと聞いても驚いてはいけません。

YouTubeでキャンディ作りを学んだ天才少女の行動力

 話題の女子中学生の名前はアリーナ・モース。虫歯予防や歯垢除去効果のあるヘルシーキャンディ販売会社「ゾリポップス Zollipops」のCEOとして、若干13歳、史上最年少で雑誌『アントレプレナー Entrepreneur』(2018年9月号)の表紙を飾った天才少女です。
アリーナ・モース Entrepreneur September 2018 Magazine

アリーナ・モース「Entrepreneur September 2018 Magazine 」

 記事によると、アリーナ・モースがヘルシーキャンディ作りを思い立ったのは7歳の頃。当時、キャンディを手に取るたびに親から「歯に悪いぞ」と注意されていたことから、「歯に良いキャンディはどうしたら作れるのか」を考え始めたといいます。 「親から小言を言われるのにうんざりしちゃって」と、実に子供らしいエピソードを語るアリーナちゃんですが、そこからヘルシーキャンディ開発にいたるまでの2年間で大人顔負けの行動力を発揮します。  何が歯に悪いのかを突き止めるためにかかりつけの歯科医師や歯科衛生士を巻き込み、YouTube動画を観てキャンディ作りを独学で習得。自宅キッチンで100回以上の実験を繰り返し、何種類もの植物を使って試行錯誤を繰り返したそう。
 こうして生まれたキャンディには歯に悪いものは一切使われておらず、カロリーゼロの甘味料であるキシリトールの他に、エリスリトール、クエン酸、ステビア、色付けにビーツジュースやウコンが使用されています。  シュガーフリー、グルテンフリー、乳製品フリー、ビーガン、そして遺伝子組み換え組織を使っていない「Non-GMO」マークまでつく超ヘルシーなキャンディが一人の少女の手で完成したのです。

TEDトークの堂々たるプレゼンに脱帽!中学生CEOはダテじゃない?

『トゥデイ Today 』オンライン版によると、「ゾリポップス Zollipops」はアリーナちゃんが小さい頃から貯めてきたお小遣いとお父さんからの援助を合わせた 3750ドル(≒41万円)で立ち上げたそう。  初年度の売り上げは7万ドル(≒776万円)程度でしたが、売り上げは年々倍増し、2018年には600万ドル(≒6億5000万円)を売り上げる会社に成長しました。
 商品はウォルマートやホールフーズなど大手スーパーマーケットとオンラインで販売され、2018年の米アマゾン・ベストセラーランキングではシュガーフリーキャンディ部門で1位、ロリポップ(棒のついた飴)部門では2位に輝いています。  現在、8年生(中学3年生)のアリーナの一日は、学校で勉強し、放課後はダンスクラスで汗を流してから家に帰り、その後に宿題をするというごくごく普通の中学生スタイル。  普通とちょっと違うのは、お父さんに車で学校まで送ってもらう道中でのミーティングで一日が始まり、宿題が終わると事務所に顔を出して新商品の企画や広告戦略の話し合いに参加すること。
 筆者は生まれも育ちも日本、アメリカの実情などここ十数年のことしか知らないため、もちろん小学校の頃からのお金の英才教育など受けておりません。ですから当初は、「女子中学生CEOといっても実権を握るのは親であって、彼女は単なるマスコット的な存在なのでは?」と疑いの目でアリーナちゃんを見ていました。  でも、TEDトークを見てその疑いは一瞬で消滅。堂々とした話しぶりには説得力があり、起業のいきさつや「ゾリポップス Zollipops」の効用を完結かつ楽しくプレゼンする姿はまさにプロフェッショナル。  これから高校・大学を経て将来どこに行き着くのか?女子中学生CEOの今後にも注目です。 Sources:「Entrepreneur」「Today」、TEDトーク <文/アメリカ在住・橘エコ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。
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