さて、ここからは海外編。ジョニー・デップ(55)やキアヌ・リーブス(54)はよく知られたところですが、彼らを軽く超えてしまいそうなのがブラッドリー・クーパー。レディー・ガガ(33)との共演で大ヒットした映画『アリー/スター誕生』で手がけた音楽が、プロから大絶賛されたのです。
『アリー/スター誕生』サウンドトラック
特にジャズミュージシャンの菊地成孔氏(55)は、こう激賞していました。
<風貌やオーラは言うまでもなく、歌唱力も、そして驚くべきはギターの腕まで、ミュージシャン上がり、あるいは、個人的に熱狂的なロックファン、など、掃いて捨てるほどいるであろう、「ハリウッド俳優の音楽ファン玄人はだし」の領域を遥かに超えている。> (Real Sound 菊地成孔の映画関税 撤廃 第8回より)
そんな“ミュージシャン”クーパーの魅力がいかんなく発揮されているのが、映画のオープニング曲「Black Eyes」。作詞、作曲から歌に至るまで、才気の塊のような人ですね。
ドラマ『24』のジャック・バウアー役でおなじみのキーファーは、泥臭いアメリカンロックがお好みのよう。4月26日には2枚目のアルバム『Reckless and Me』をリリース。そこに収録されている「This Is How It’s Done」は、エルビス・プレスリーの「Mystery Train」を思わせるカッコよさ。キレッキレですね。
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映画『ラ・ラ・ランド』の大ヒットで、日本での知名度も高まったライアン・ゴズリング。当代きってのモテ男ですが、音楽の趣味は少し風変わり。友人と結成した「Dead Man’s Bones」というユニットで、児童合唱団とコラボしてゾンビがテーマのアルバムをリリースしました。
うす気味の悪さと屈託のない明るさが同居したテイストに、ユニークなクリエイター気質が感じられます。
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これからのエンタメは、ますますジャンル分けの意味がなくなってくるはず。役者と音楽を自由に行き来できるフットワークの軽さが、それぞれの仕事に深みを与える相乗効果を生んでいくのかもしれませんね。
<文/音楽批評・石黒隆之>
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石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter:
@TakayukiIshigu4