Lifestyle

Vol.11-1 妻がW不倫していた…“菅野美穂似”のほっこり妻に秘められた魔性

「私は不倫しています」

 美人でセンスよく着飾った外見からは想像できない、危うい生活基盤と乱れた生活習慣。木島さんは同棲するにあたって、不安はなかったのだろうか。 「深刻には考えていませんでした。掃除も洗濯も料理も僕がやればいいと思っていたし、現にタワマンに引っ越した後も全部僕がやっていましたから。家事配分が不公平だと腹が立ったこと? まったくありません。それに怒る意味がわからない」  木島さんの結婚観が見えてきた。 「それぞれ独立した大人なんだから、週末以外は自由にしていればいいじゃないという結婚観でした。掃除も洗濯も料理も、やりたい方がやりたいタイミングでやればいい。互いにどれくらい収入があるかの話もしませんでしたし、貯蓄計画も立てていませんでした。子供を欲しいという願望が僕になかったので、そんな話も出ず。もちろん彼女からも出ません」 ※写真はイメージです 独立した夫婦関係がゆえ、仕事で終電を逃しても、互いに連絡することはなかったという。 「典子からいつ帰るかなんて一度も聞かれたことはありませんでした。というか、『帰るコール』が義務化されるなんて、うざいにもほどがある。だから気楽でいい夫婦関係だと思っていましたよ。それに週末はちゃんとベタベタしていたから、夫婦関係が冷え込んでいるとは感じていませんでしたね。もちろん、僕に浮気心はゼロでした」  全国紙の新聞記者と広告代理店勤務のダブルインカム、都心のタワマン住まいで子供なし。ケンカは皆無。夫は多忙だが週末は仲良し。ふたりとも若い20代。ほころびの一端も見えない。しかし結婚から2年後の2010年秋、木島さんの携帯電話に謎のメールが届く。 「『私は不倫しています』というメッセージが届いたんです。差出人は典子でした」 ※続く#2は4月30日(火)に配信予定。 ※本連載が2019年11月に角川新書『ぼくたちの離婚』として書籍化!書籍にはウェブ版にないエピソードのほか、メンヘラ妻に苦しめれた男性2人の“地獄対談”も収録されています。男性13人の離婚のカタチから、2010年代の結婚が見えてくる――。 <文/稲田豊史 イラスト/大橋裕之 取材協力/バツイチ会> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
稲田豊史
編集者/ライター。1974年生まれ。映画配給会社、出版社を経て2013年よりフリーランス。著書に『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)、『オトメゴコロスタディーズ』(サイゾー)『ぼくたちの離婚』(角川新書)、コミック『ぼくたちの離婚1~2』(漫画:雨群、集英社)(漫画:雨群、集英社)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)がある。【WEB】inadatoyoshi.com 【Twitter】@Yutaka_Kasuga
1
2
3
4
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ