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『あなたの番です』初回で脱落した視聴者多数?けど見続けてよかったワケは…

 4月スタートのドラマ作品で放送前から大きな注目を集めていたのが新日曜ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系列 夜10時30分から)。
 原田知世と田中圭のダブル主演、実力派俳優たちが多数集結、秋元康が企画・原案、半年間の2クール番組と骨組みからして話題性は抜群。  さらにテーマが、マンション内で巻き起こる「交換殺人ゲーム」。ドラマ史上まれに見る難解ミステリーと囁かれる今作ですが、現時点で第二回まで放送されております。

年の差カップルを囲むくせものマンション住人たち

 第一回は、原田知世演じる妻・手塚菜奈と田中圭演じる夫・翔太の年の差カップルがマンションに引っ越してくるところから始まります。  2人はまさに「ゆるふわ」という形容がぴったりくるほどの、スイートな雰囲気たっぷりなラブラブカップル。しとやかながら芯はしっかりしていそうな菜奈と、甘えんぼで無邪気な子犬系男子の翔太。この夫婦のやりとりを見ていると「新婚っていいなぁ、可愛いなあ」とほっこり幸せな気分に満たされていきます。
 けれども、そんな気分から突き落としてくるのが、マンションの住人たち。いきなり部屋に入り込んでは手作りのネームプレートを押し付けていく管理人(竹中直人)や、いきなり翔太にモーションかける気満々の尾野幹葉(奈緒)、向かいの家に住んでいる子ども・そら(田中レイ)などの登場で不穏な空気満載。  さらに、菜奈が住民会に参加すれば和気あいあいとは決して思えない住人たちによる会議がスタート。会長である榎本早苗(木村多江)はまだ良い人そうではありますが、その横で仕切る田宮淳一郎(生瀬勝久)や、その意見に反発する藤井淳史(片桐仁)など、とにかくメンバーは曲者(くせもの)揃い。  会議も喧々諤々(けんけんがくがく)で、言ってることは全く噛み合っておらず「あー、ほんとこんなマンションだったら速攻出ていきたい」と本気で感じるレベルの酷い空間でした。

第一回で脱落した視聴者は多い?

 その話の流れで交換殺人ゲームが提案されます。本気か冗談かの区別もつかぬまま、参加してしまった菜奈は誰が書いたのかわからない上に、誰なのかも知らない「住民会の誰かが殺したいと思っている人物」を引き当ててしまうのです。  正直、第一回を見て脱落した視聴者は多いのではないかと思いました。イヤミスが流行っている昨今とは言っても、こんな調子のムードで半年続くのであれば、ぶっちゃけゲンナリします。また微妙に笑いのテイストが入ってくるところが、好みを選びそうな感じ。ガチガチに硬質にやった方が視聴者も開き直ってのめり込めると個人的には思うのですが……。
 けれども、だからこそ際立つのが菜奈と翔太という清涼剤。2人のシーンは本当に和やかで穏やかで「これだけでドラマを作ればいいのに」と感じさせるほど良い雰囲気なのです。  ときめくシーンと不穏なシーンが交互に重なり続ける、あの何とも言えない不快感。これは賛否両論だろうな~と思っていたら、案の定ネット上での評判はそういった様相でした。
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ドラマの奥行を感じた第二回
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