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愛をお金で売買するのは良くないこと?ママ活の不思議/内田春菊

 そんな私が何故「ママ活」テーマに文章を頼まれているのか。もしかしたら、3回の結婚のうち2回はヒモだったからかもしれない。ヒモ。最近この言葉を言えるようになった。なんでヒモ? 女をヒモでつなぐから? ある日私はハタと気づいた。赤貝の周りにくっついているヒラヒラしたものを、ヒモと呼ぶことに。もしかして、貝にくっついて生きているという表現!?
LOVE FOR SALE ~俺様のお値段~

「LOVE FOR SALE ~俺様のお値段~ 1巻(Kindle版)」(著:内田春菊、出版社:電書バト)

 そして私は「あたしは貝」という、働かない恋人が家に居座る漫画を描いたのでした。今も体を売って暮らす少年たちの漫画「ボトム」や、ホストの漫画「LOVE FOR SALE~俺様のお値段~」を描いています。若者の貧困の資料をいくつか読んだからってのもある。読んだものの中には、「風俗やれる人はまだいい方」みたいな表現もあった。

愛を売り買いすれば、いっぱい嘘をつかないといけなくなる

 お金で愛を売り買いするのが良くないと思うのは、売る方がいっぱい嘘をつかないとならず、買う方はそれを信じるという構図がたいへん体に悪いと思うからだ。  仕事(取材)で、元高級風俗嬢の講義を聞いたことがあるが、手に受けたお客の精液が多いと「いっぱい出たね」と褒めてあげるのがいいという。そんなことまで褒めなきゃなんないの!? と私は顔には出さず考えた。もしかして、好きなら言うかもしれないが(好きで付き合ってる相手なら精液を手に取る、は普通ないか)。お子ちゃまか!!(お子ちゃまは精液を……以下同文)  しかしホステスですら、いっぱい嘘をつかないと成り立たない仕事なんですよ……。私はホステス中、ほんとのこと言っただけなのに、「おーいこんな生意気なのつけんなよ!」などと主任に訴えられたりしてました。何もわかってなかったわ……。 <文&イラスト/内田春菊> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
内田春菊
漫画家、小説家、俳優、歌手。1984年漫画家デビュー。1994年『私たちは繁殖している』『ファザーファッカー』でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。最近では自身の大腸がん・人工肛門の日々を描いた『がんまんが』『すとまんが』で大きな反響を集める。『ファザーファッカー』を実母の目線で描いた『ダンシング・マザー』を2018年に発表。
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