「
KILL YOU」
私の後ろに控えていた友人たちが、そのTシャツを見てゴクリと生唾を飲んだのがわかりました。娘の友人を出迎えるタイミングでギラギラと輝く「KILL YOU(ぶっ殺す)」。しかし、その空気に全く気付いていない母に、その場でツッコむことは出来ませんでした。

「
えっ……あんたのお母さん、山姥なん?」
「
ご馳走食べさせて太らせて……とか?」
「つーか、あの満面の笑みで『KILL YOU』て……」
みんな笑いをこらえながら、母のもてなしを受けていました。料理は美味しく、お酒も飲み放題状態の大宴会。帰り際まで母のTシャツが絶えず話題に上がっていました。
当の母はその後も「KILL YOU」Tシャツをしばらく愛用。
今はボロボロになってきたのでパジャマとして使っているようです。私は酔っ払って実家に泊まることがあるのですが、深夜に暗い玄関先に現れる「KILL YOU」には、たまに戦慄を覚えます。
この話は「
KILL YOU母ちゃん」として、いまだに友人たちの中でネタにされ続けております。
―
ファッション・メイク“黒歴史”エピソード―
<文/もちづき千代子 イラスト/やましたともこ>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama