さて、肝心の私たちといえば、単純にチェックインをする人数が増えることでも大変なのですが、そこにアップグレードが発生したりするとまた色々と処理があり、お客様には見えないところでバッタバタしています（いや、見えているかも…）。 　延々と続くお客様の列。バケーションでのアクティビティにゴルフバッグやサーフボードといったひと手間かかる預け手荷物が続々。そこにイレギュラーが加わればもうカオスです。さらには、大型連休にはチャーター便が就航したりするものだから、フライト数が増える、人手不足で他部署に駆り出されるなんてこともあり、休憩時間はほんのわずか。 　そんな日が続くものだから、いつもはお弁当を作ってくるスタッフも自宅では睡眠が最優先。手っ取り早く食べられるからあげやカップラーメン、サンドイッチを空港内のコンビニエンスストアで買って、休憩室で早食いする姿は珍しいものではありません。不規則な勤務に乱れた食生活で肌荒れする人も続出します。 　トイレに行くタイミングを逃すスタッフも多く、膀胱炎に悩まされる人は後を絶ちませんでしたね。もちろん私も経験者。用を足してもすっきりしないし痛みが伴うツラさ。そんな体調での激務が続くのです。 　地味につらかったのはチェックイン中に椅子に座る暇がなく、ハイヒールで立ち続け、その疲れた足で空港内を走らなくてはならないシーンかな。あ、ハイヒールの足で踏ん張りながら重たい預け手荷物の重量を計る手伝いをするのもね。足の裏はタコだらけで、ストッキングは伝線し放題。使い捨て状態です。 　今思い出すと当時はよく頑張っていたな、と自分で自分を褒めてあげたくなりますよ。本当に。 　大型連休に飛行機を利用して旅行をする人は、グラホや空港で働くスタッフに「よく頑張っているね」と心の中で思ってくれたら本当に嬉しい！ どうか温かい目と心で。 ―グランドスタッフの裏話 VOL7― ＜文／高木沙織＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】