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“学校のアイドル女子”がアラサーニートに…「中学生で死んでおけばよかった」

「私、中学生時代に死んでおけばよかったなって思うんです」  衝撃的な言葉を口に出した、アラサーの夏美さん(仮名)。かつて“クラスの憧れの的”だった彼女は下を向いて、今にも泣きそうになりながら、現在のニート生活に至るまでを話してくれました。
女子高生 通学 電車

写真はイメージです(以下同じ)

 現在、日本には、普段は家にいて、自分の趣味のときだけ外出する15~39歳の「準引きこもり」を含めた引きこもりが61.3万人おり、うち23.4%の14.3万人が女性と考えられています。また、いわゆる“ニート”と呼ばれる25~34歳の若年無業者の女性は18万人(2019年 内閣府 子ども・若者白書より)。  そして、その18万人の1人である夏美さんは、人生の絶頂期は中学生時代だったと言います。 「自分で言うのもなんですが、私はなんでも平均以上にできる子どもでした。家庭も裕福で一人っ子だったので、両親に愛されて、大人からはかわいがられ、いつでも周りには友達がいました」

みんなのアイドルだった中学時代

「中学生になると、男子からチヤホヤされるようになったんです。なんでもできる美人だともてはやされて、正直、人気者でした。女子にも『夏美ちゃんは私の憧れの存在』なんて言ってもらえて。少なくとも、面と向かって私を悪く言う人はいませんでした」  夏美さんは、自分は成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗で、いわゆる“才色兼備”を絵に書いたような存在「だった」と過去形で話します。 「『天は二物を与えずって嘘だよね』と、自分でも思っていました。もちろん、普段は謙虚な態度で、そんなそぶりは見せなかったですが……。高校受験に備えて塾に通うようになると、勉強がもっとできるようになったので、高校は女子校かつ進学校を受験し、合格しました。進学校なら切磋琢磨していけるだろうなぁ、なんて思ってたんです」  それはただの慢心だったんですけどね、と自虐的に笑いながら、夏美さんは話を続けます。

進学校では“普通”になってしまった

「高校での私は、どんなに勉強しても、切磋琢磨どころか、テストは平均点以下ばかりになりました。中間、期末は点数上位100人の名前が壁に貼られるのですが、一度もその中に入れませんでした。それまでの人生で努力してこなかった私は、“井の中の蛙”。自分の本当の実力を知らなかったんです」 女子高生たち 勉強以外でも、何事も平均以上にはできても、1つのことを続けてきたわけではなかった夏美さん。地元では天才でも、進学校では凡人になってしまった、というのはよく聞く話ではありますが、そればかりか、テストの点数が低いことで、今までの学校生活とは一転、馬鹿にされる対象になってしまったそうです。 「成績至上主義の高校では、見た目が多少いいことなんてなんの意味もなくて、いわゆるスクールカーストでは最下位の存在でした。『落ちこぼれ』『なんでこの学校に入れたのかわからない』って、同級生たちに陰口を叩かれて。ときには、露骨に嘲笑されたこともあります。生まれて初めて受ける、他人からの悪意でした。意地で通い続けたものの、高校時代は、暗黒の3年間でした」  夏美さんは、大学受験では希望の大学にはすべて落ち、卒業してからは予備校に通う浪人生になりました。
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地元の成人式に行ってみたら……
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