繊細さんの特性は、相手の気持ちをキャッチしやすいところ。たとえば、怒っているな、イライラしているな、などですが、これはあくまで感情です。その先の理由までは、残念ながら推し量ることができません。
これは私にも経験があるのですが、対相手が何やら機嫌が悪いとつい、私のせいかな、と思ってしまいますよね。繊細さんはそういった思考の流れが顕著に現れてしまい、本当はあなたのせいではないのに、私のせいだと思い込み、憂鬱になってしまう。それって、実にもったいない!
「
相手の気持ちを察したら、合っているのか、ぜひ確かめてみてください」と本書。とはいえ相手に「どうして怒っているの? 私のせい?」とダイレクトにたずねるのは、さすがに勇気がいります。
まずは、食事の場面などで相手の好みを推測し、「
それ、おいしい?」など、相手の気持ちを聞いてみるのがオススメ。「相手の答えが自分の予想と合っているのかをチェックし繰り返すと、『
人の考えは、案外わからないものだな』と実感できます」と本書。すると自然に、「自分のせいではない可能性に目が向くようになるのです」。
個人的にも、今、繊細さんは増えていると思います。でも、繊細すぎるのは決して悪いことではありません。ほんの小さなコツで、生きづらさは解消できるのです。繊細さを自覚している方にも、そうでない方にも、一読してほしい一冊です。
―
小説家・森美樹のブックレビュー―
<文/森美樹>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】