それでも、
「映えるドリンクを片手にデート」という貴重なシチュエーションがやはり嬉しく、無理して飲み続けたという安藤さん。
「そしたら、飲み終えたところで胸焼けしちゃって。でもまあ、お腹がこなれてくれば治るだろうと散歩を続けていたら、だんだん吐き気までしてきて……。旦那に伝えて近くの喫茶店に入り、買ってきてもらった胃薬を飲んで休憩しました」
しかし、吐き気やムカつきはなかなか治まらず、イスに座っているのもしんどいほどに。
「時刻は16時半で、レストランの予約まであと1時間半。それまでに意地でも治すつもりでしたが、私の様子をずっと眺めていた旦那が無理だと判断しまして。
泣く泣くレストランをキャンセルし、タクシーで帰宅しました」
帰宅後は子守りを旦那さんと義母に丸投げし、ひたすら横になって吐き気に耐え、夜遅くにやっと回復したとか。
でも、タピオカだけのせいでここまで体調が悪くなるとは考えにくいですよね。
もしかすると、最近問題になっている「血糖値スパイク」(血糖値の乱高下)が原因かも? これは、急に大量の糖質を摂って血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが分泌されて、今度は血糖値が急降下して軽い低血糖状態になるというものです。低血糖状態になると、吐き気やめまいが起きることもあるとか。
特に、甘いドリンクはすぐ吸収されるので、血糖値を急上昇させます。これはタピオカドリンクに限らず、甘いジュースでも缶コーヒーでも同じこと(参考:『脂肪と疲労をためるジェットコースター血糖の恐怖』栄養管理士・麻生れいみ著 など)
もっとも、安藤さんがこのケースだったのかは、診断を受けていないのでわかりませんが…。
「甘さにやられたのか、めったに飲まないミルクにやられたのか……。なんにしても普段は食べもので気分が悪くなることなんてないので、どこか体が悪いのか不安になりましたが、旦那は『もう胃が弱ってきてるんだよ』とバッサリ。認めたくないですけど、そうなんでしょうね」
いまでは街でタピオカドリンク店を見かけるたびに、
「あんな小さいつぶつぶに大事なディナーを台無しにされた」という悔しさと苦しみが蘇ってくるという安藤さん。タピオカにとっては冤罪のような気もしますがーー。
<文/鈴木うみこ イラスト/やましたともこ>