ではここで改めて、人によって解釈が違う浮気の定義を考えてみたいと思います。それには、浮気の前段階にある“付き合う”ってことがどういうことなのか、本質的なところをはっきりさせておく必要があります。そこがはっきりしていないと、浮気する男の見極め方も、浮気させない女でいる秘訣も見つかりません。
僕が考える“付き合う”ということの定義は、〈
相手に、自分に対する独占権と、未来を共にする優先権を認めるという約束をお互いにすること 〉です。好きかどうかではありません。だって好きじゃないのに付き合っているカップルや嫌いでも付き合い続けている人たちはいくらでもいます。
重要なのは、〈
自分の体か心、またはその両方が、今からこの先も相手のものになっていると認め合ったかどうか 〉です。ちなみに、それを公的機関が認めているという状態が結婚です。
そして、浮気とは、独占権、優先権に関わる約束が破られることです。約束破りだから裏切りと言われます。他の人に体を預けたり将来の約束をしたら浮気と認定されやすく、過去にあったことは浮気とは言われません。
例えば、
独占具合、優先具合がゆるい状態の人は、一緒にいる時間は少しでいいけど付き合っている相手は私一人ね、とりあえず一緒にいる今は私のことを見てね、素敵な場所に一緒に行くのは私だけにしてね、位でしょう。この場合、相手の心や体はかなり自由で、共有していない時間をどう過ごそうがそれぞれの勝手です。
逆に、
独占具合、優先具合が厳密な場合は、24時間私のことだけを考えて、何かを誰かと一緒にする時は私が1番ね、過去に付き合った人との思い出の物は捨ててね、です。これは僕からするととても窮屈ですが、依存体質の人からすると最高の愛情状態でしょう。そして、これがもっと加速していくと、相手の支配権をも手にしたくなります。勝手に携帯を見るのは、その始まりです。
そろそろ本題に入りますが、あなたのお友達は、あなたにとっては性格の良い人かもしれませんが、多くの男性からすると窮屈な人です。独占具合、優先具合、支配具合の求め方が過剰です。それだけ浮気を生みやすい約束をしているわけです。良い言い方をすれば心配性、実際にはエゴイスティックなのでしょう。ちなみに、窮屈さと見た目の可愛いさは、付き合いが長くなるほど無関係になっていきます。
そして、そういう人は、独占や支配することで自分の心が安定します。なぜか。独占したり支配できる自分はそれだけ価値ある人間だと思えるからです。
人と付き合うときに、独占するとか支配するという概念がない人は、そうしたいとか、そうされたくないとも考えません。嫉妬はしても振り回されないし、干渉しないけど無関心ではありません。
付き合っていなくても、相手といい距離感のいい関係を築くには、自尊心や自己肯定感が育まれていることです。自分は大切な存在だという自信があれば、他の人からも大切にされるという前提でいられるので、独占したり支配しなければという焦りや不安が生まれません。