偶然見た夫の手帳…知らなかった夫の特技に驚嘆したわけは?
人の目に触れないことを前提として書いている手帳や日記は、家族や恋人、親しい友人であっても絶対に見せたくはないものです。
けれども、もし夫や恋人の手帳や日記がテーブルの上に置いてあったどうでしょうか? じっくり読むことはなくてもペラペラとページをめくる程度はするかもしれません。

今年で結婚10年目を迎えるかえでさん(仮名・37歳/専業主婦)もある朝、リビングを掃除しようと思ったらテーブルの上に置いてある夫の手帳に気づいたといいます。
「時間的にもう会社に着いているころだと思いましたが、手帳忘れてるよってメールしました。そしたら『悪いけど今日の予定だけでも写メしてこっちにちょーだい』って返信が来たので手帳を開き、その日の予定が書かれている部分を撮影して送ったんです」
しかし、手帳をペラペラとめくりながら当日の日付が入ったページを探していると、旦那さんの直筆と思われる奇妙なイラストが描かれたページをいくつも見つけたそうです。
「それが気になってしまい、部屋の掃除が終わった後、リビングのソファーに座ってお茶を飲みながら改めて手帳を見ることにしたんです」
イラストは手帳の余白などに描かれており、作品は約20点。それも全部“ある人気マンガ”を彷彿(ほうふつ)とさせるタッチで描かれていたそうです。
「『北斗の拳』です。兄が大好きで原作マンガも持っていて、部屋にはポスターも貼ってあったからすごく印象に残っているんです。主人公のケンシロウでしたっけ? そのイラストも手帳にあったので見た瞬間にわかりました」

しかも、旦那さんの画力は非常に高かったそうで、知られざる夫のスキルに驚嘆。恋人時代も含めると13年の付き合いになるそうですが、こんな特技を持っているとは知らなかったそうです。
「ドラえもんやのび太君、アンパンマンにサザエさんといった別の作品の人気キャラを北斗の拳っぽいタッチで描いたものもあって、極めつけは私たち家族のイラスト。
顔はそれぞれ特徴をつかんでいるんですが夫は実物とかけ離れて筋骨隆々だし、私はなぜか超グラマラスボディ(笑)。さらに2人の息子も小学生とは思えないほどマッチョに描かれていて、思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになりました」
夜、帰宅した旦那さんに手帳に描いてあったイラストのことをたずねると「やっぱり見ちゃったかぁ」と恥ずかしそうにしていたとか。
「子供のころから作品の大ファンだったそうで、『チラシの裏やノートにイラストを描いているうちに上手に描けるようになった』と言ってました。それでクラスメイトの間で評判となって調子に乗って友達や担任の先生などを北斗の拳キャラ風に描き始め、今でも得意先回りのちょっとした空き時間などに気分転換に描いていたそうです。
私は絵心とか一切ないからスゴいなって。ただ、絵のタッチは個性的すぎて私の好みとは違いますけど(笑)」
それでも夫のイラストを見た子供たちは大はしゃぎ。「お父さん、スゴい!」と誉められてすごく嬉しそうにしていたといいます。
「ただ、夫の絵がきっかけで子供たちが北斗の拳に興味を持ってしまい、『アニメが見たい!』と言い出したんです。けど、夫は『暴力が支配する世界が舞台だし、人が爆発するグロいシーンもあるからなぁ』って小学校低学年の息子たちに見せるにはまだ早いと思ってるみたいです。
最初に子供たちにイラストのことを話したのは私だったので、もう少し考えてから伝えるべきだったなって。先日、アンパンマンが暴力的だってニュースがありましたが、こっちは論争の対象になるような次元じゃないと思うので(苦笑)」
筆者は個人的に同作品のファンで熱い生き様であったり、友情や困難に立ち向かう勇気などを描いた名作だと思っていますが、小さな子供に見せていいのか親としては悩ましいところかもしれません。
でも、家族をイラストで描いてくれる旦那さんというはちょっと素敵かも。額縁(がくぶち)に入れてぜひ飾っておきたいですね。
―シリーズ「気になる男性・彼・夫の意外な一面」―
<文/トシタカマサ イラスト/Morimalu>
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写真はイメージです(以下同じ)
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。