「娘は年の離れた妹」設定で彼氏を作りまくる毒母がひどい…
気づけば母のウソも本当に……
「この前は、ロッカーのお金を貸してくれた30代の男性に夢中になっていました。複数のアーティストが出るライブだったので、合間の時間にロビーで雑談したんです。『大学のゼミで日帰り研修があるから、お金が必要なんだ』というような話題をきっかけに、相手に母親だとばれそうになりました。すると、母にトイレに連れていかれ、マジギレされました」
いかにも理不尽な理由で、実母からひどい目に遭わされている由香里さんですが、母親のウソ自体にはあまり違和感がないとか。
「不思議なんですが、ずっと私は彼氏ができないのに、母はなぜだかモテるんですよね。母もそれをわかっているみたいで、『今ここに男性がいたら、あんたと私、どっちを選ぶと思う』って自信満々に聞いてくるんです。もともとは、母の年齢設定も、娘がいない設定もウソなのですが、だんだんとそれが本当のような気になってきちゃったんですよね」
強気にも30代前半の年齢設定で通してしまう、モンスターのように自己肯定感が高すぎる40代の母。逆に娘の由香里さんは、20代という若さでも「自分なんて……」と卑屈な言葉を何度も口にしていました。家から出るメリットがないなどとは言わず、この呪縛から由香里さんが解き放たれることを祈るばかりです。
―ついたウソ・つかれたウソの顛末―
<文/池守りぜね イラスト/カツオ> 1
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