ダイエットには雑穀 vs 豆どちらが優秀?徹底比較した
雑穀パワー、どこまで信じるべき?
「スーパーフード」としてダイエットや美容に良いとされるのが、「雑穀」。白米に入れて炊くだけで、様々な効果があるとされています。でもこれって、どこまでパワーがあるものなのでしょうか? 例えば、米に混ぜる候補としてオススメなのが、「蒸し豆」。雑穀と豆、どちらがより良いのか、イマイチよくわかりませんよね。結論から言えば、豆ってスゴイんです!
そこで今回は、雑穀と豆を徹底比較! ダイエットや美容の側面で考えた場合、どちらが良いのかについて、わかりやすく整理してみることにしましょう。
今回の比較対象は、人気でありながらも手軽に食べやすい視点から、雑穀代表として「もち麦」を、豆代表としては「大豆」をチョイスして比較していくことにしましょう。
●もち麦。白米に混ぜて炊くように小分けになっているタイプをよく見かけます。レトルトも登場。
●大豆。蒸したタイプが1袋100円程度で販売されています。
※数値はすべて、食品100gあたりの値。文部科学省食品成分データベースを参照。
もち麦(押麦) 346kcal/66.1g
大豆(国産) 451kcal/11.6g
⇒糖質量は「大豆」がダントツに低糖質。
特筆すべきは、糖質量の違い。もち麦は7割近くが糖質であるのに対し、大豆は1割程度と、低糖質さが際立ちます。カロリー自体は大豆が上ですが、乾燥した豆を100g食べることはなかなか難しく、ごはんやスープ、サラダに加えて食べることを想定すると、せめて乾燥重量で20gほどと、大量摂取がしにくいことを考えると、目を向けるべきは、糖質量でしょう。
もち麦 12.2g
大豆 21.5g
⇒大豆の方が食物繊維が豊富。
雑穀の中だけで語られやすいのが、食物繊維。ところが大豆は、雑穀のはるか上を行く優秀量なのです。これもご存知ない人は少なくないはず。
もち麦 6.7g
大豆 33.8g
⇒大豆に軍配。5倍近くのたんぱく質量を含有。
キレイにやせるためには、食事の他に運動も重要です。その際に、意識して摂取すべきは、カラダ作りの基本となる「たんぱく質」。大豆の方が優位であることは明確でしょう。
成分 もち麦 大豆
ビタミンB1 0.11 0.71
ビタミンE(※) 2.3 0.1
鉄 1.1 6.8
亜鉛 1.1 3.1
マグネシウム 40 220
数値の単位はすべてmg。※ビタミンE量は、α-トコフェロール量を記載。
⇒雑穀の強みとされる成分をピックアップしたところ、すべてにおいて大豆の勝ち。
こちらも秀でているのは、すべて「大豆」であることがわかります。雑穀=ビタミン・ミネラルが豊富というイメージが強いので、驚く人も少なくないはずです。
⇒もち麦、大豆いずれにしても、最近は「蒸しタイプ」がスーパーで買えるようになっています。これを使えば、炊き上がったごはん(レンチンしたごはん)に混ぜたり、サラダやスープに加えたりするのも簡単です。ただし、金額的には、蒸し大豆の方が数段にリーズナブルで、購入できるスーパーも多いはず。蒸し雑穀は、まだまだレアな存在で、こだわり系スーパーで扱っているケースが多いかもしれません。
そして「おいしさ」ですが、これは個人の好みによるところが多いですが、例えばオヤツでそのまま食べておいしいのは、「大豆」。自然の甘さやほくほく感は、クセになる味わいです。
<文・写真/スギアカツキ>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
ダイエットで気になる5視点で比べてみると、豆がスゴかった
①ダイエットで気になる「カロリー&糖質量」
②便秘対策としての「食物繊維」は?
③美肌・美体作りの基本となる「たんぱく質」
④ダイエット時に不足しがちな「ビタミン・ミネラル」
⑤ダイエットが続くために重要な「手頃さ・おいしさ」は?
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12