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松重豊、妊活する夫役に挑戦「うちも子どもができるまで3年かかった」

 映画『凶気の桜』の原作者でもある作家のヒキタクニオさんが、自分の体験を基に書いたエッセイをベースにした『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』が公開。  49歳の作家ヒキタさんは、二回り近く年下の妻サチから、ある日、「ヒキタさんの子どもに会いたい」と告げられ、妊活をスタート。しかしなかなか叶わず、診察を受けたところ、ヒキタさんに不妊の原因があると分かる。  ヒキタさんを演じたのは、意外にもこれが映画初主演となる松重豊さん。男の妊活を追体験したという松重さんに、本作の印象や、妻サチを演じた北川景子さんについて聞きました。またサチさんと同世代の読者に向けてのメッセージもいただきました。

デリケートな題材だからこそ、笑える部分との両立が大切

――デリケートな題材を扱った作品ですが、笑えるシーンも多かったです。原作者&監督が男性ということもあるのかなと思いました。 松重豊さん(以下、松重)「この作品には前田浩子さんという女性のプロデューサーさんが大ボスでいまして、細川徹監督はお笑い部分と男担当、前田さんが大枠で女性の目線でいるといいますか、そのバランスがいいのだと思います」 ――不妊の原因が自分にあるという事実を突きつけられるヒキタさんですが、彼の明るさに救われます。
『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』より

『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』より

松重自分で“駄目金玉”って命名してね。インパクトがありつつ、ちょっと愛嬌もあるし、頑張ってやるぞという気持ちにもなる。とてもデリケートな題材の作品ですが、だからこそ笑える部分を両立させるということが大事なのかなと思います」 ――ヒキタさんは妊活にとても協力的です。男の妊活をどう感じましたか? 松重「不妊に関して、今回、『実は僕も私も』という方が非常に多くて驚きました。ヒキタさんの経験を、リアルに追体験して勉強しながら演じていきましたが、やはり産婦人科の待合室にいることが、正直、困難なところはあると感じました。まずそこのハードルが高い。おっさんですし。 「いいよ、もう俺のせいだよ」と自暴自棄になって終わる人がいるのも分かります。でもこの映画を観て、「よし俺もやるぞ」と思ってもらえたらいいですね。ただ医療機関には、男性に対しての多少のデリカシーを持っていただきたいなと思います」

松重さん自身の、妻と仲良く暮らしていける秘訣は

松重豊さん

松重豊さん

――本作を観ていると、自分が生まれてきたことも奇跡なんだなと感じます。 松重「そうですね。結婚しなかったり、子どもを持たなかった人でも、自分が生まれてきたという事実は誰しもが関わっているテーマですからね。うちもね、子どもができるまで、3年くらいかかったんですよ。当然、当時は不妊治療云々なんて考えはなかった。今はこういう映画も出来てきた。こういうことをもっと分かち合って、苦労も知って、子どもを作って育てることへの環境のいい国になればというところまで、なっていければいいなと思います」 ――松重さんが、奥様とずっと仲良く暮らしていくために大切にしていることがあれば教えてください。 松重「くだらない会話のキャッチボールですかね。ニュースなんかを見てああだこうだと、あれ、昨日も話したかななんて思いながらもまた話して、笑い合える関係で居続けられるかどうか。やっぱり口に出して話してというコミュニケーションは大事だと思うんです。そうすることで何か問題が起きたときに、瞬時に共有しあえるんじゃないかなと思います」
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見た目の美しさというのは、内面から出て来ていると確信
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『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は10月4日(金)より全国公開中 オフィシャルサイト
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