少女漫画界の生きる伝説・山岸凉子、初のトークショー。生の姿を拝んできた
「明日死ぬと思って生きろ、永遠に生きると思って学べ」
マンガに人生をかけたいと思うのに「才能がない」と言われ、周囲には才能に溢れ、評価もされている人たちに囲まれ、コンプレックスにさいなまれていたお話をいくつもされていました。ああした葛藤の時期があったからこそ、人の弱い部分に焦点を当てる作品が描けるのですね。今、生きるのが苦しい人も、それがいつか糧になると思えばもうひと頑張りできそうです。
最後に山岸先生は、「明日死ぬと思って生きろ、永遠に生きると思って学べ」というガンジーの名言を引用されていました。……はい、そうします!
薄暗い会場で、90分に及ぶ先生のトークショーの最中、私の前の席に座っていた小中学生の女子たちが居眠りもせずに一心不乱に話を聞いていたのが印象的でした。
山岸凉子先生、私は、先生の作品で育てられました。女としての性を生きる意味や息苦しさ、社会の矛盾を教えられました。登場人物の持つコンプレックスにふるえる程共感しました。それが今の仕事に活きていると思います。行ってよかった!
お礼の気持でふるさと納税してみた
よく考えたら、滞在中に全然お金を落とさなかったので、ふるさと納税で支援しました。支援は2000円からと手軽で、道外の人はニジマス燻製がもらえるそうです。ウェブサイトから申請書をダウンロードし、必要事項を書いてメール添付すると、振込用紙が送られてきます。トークショーの入場料の代わりです。

講演内容は後日『ハトシェプスト』新装版に収録予定
和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表



