少女漫画界の生きる伝説・山岸凉子、初のトークショー。生の姿を拝んできた
マンガ家、山岸凉子さんをご存じでしょうか。
代表作はバレエを題材とした『アラベスク』や『テレプシコーラ/舞姫』、聖徳太子を主人公に奇抜な発想で飛鳥時代を描いた『日出処の天子』などです。現在はジャンヌ・ダルクを描く『レベレーション(啓示)』を「モーニング」で連載中です。
トークショーは14時からですが、町民専用席以外の一般席が最大で300席。会場の体育館がオープンする10時前にすでに100名ほどの人が並んでいたとTwitterで読み、ハラハラしながら現地に向かいました。現地に着くのは12時過ぎの予定です。これで「満席です」とか言われて入れなかったら、悲しみのあまり超能力で大地をビキビキと割ってしまいそうです(※編集部注:『日出処の天子』のシーンのひとつ)。
函館本線の滝川駅からバスに乗ると、何人か、トークショーに向かうであろうグループがいました。12時を少し過ぎて体育館に到着、焦ってしまってものすごく不自然にせかせか歩いて受付に行きましたが、問題なく入れました。ああぁぁぁよかった!
受付ではビニールを渡され、中にはトークショーのチラシと番号の書いてあるシール、入場のシルシであるリストバンドが入っていました。この番号シールを会場の椅子に貼り、席を確保できる仕組みです。イベントに向けてかなりしっかりと準備をされていた様子がうかがえました。大きな混乱もなく、有料でもよかったと思うくらいです。
山岸さんの漫画には、女であることの息苦しさや社会の理不尽さ、生きることの業のようなものを描いた作品が多く、胸に深く刺さるものばかりです。どれも文学的要素が強くて、多くのファンを魅了しています。
かくいう私も、中学生のころに『日出処の天子』を読んでアンニュイな厩戸王子に猛烈に胸を痛め、なんとかしてあげたくてのたうち回り、授業も聞かずにノートに似顔絵描いてボンヤリ過ごしていました。
そんな山岸凉子先生が、初のトークショーを開くというではないですか。少女漫画コンシェルジュである私、和久井香菜子の思考の原点とも言える大先生の生声を聞く機会を逃すわけがありません!10月6日、北海道の上砂川町へ行ってきました。