悩みの違いで友人とも不仲に。都会と田舎の噛み合わないいがみ合い
「私から見れば、彼女の恵まれた環境が羨ましく思えました。支えてくれる人も多い余裕のある環境なのに、しょうもない人間関係に文句を言う彼女が腹立たしくもありました。でも、彼女は彼女で、私の都会での生活が自由そうで羨ましいらしく『義両親に気を使う生活をしないで済むなら、私だって都会暮らししたい』と。

結局どこまで行っても、ないものねだりになってしまうようなことが多くて……。
よかれと思って合わせたタイミングの結婚出産で、こんな風に差が生まれてしまうとは思いませんでした」
結局羽海野さんは今、その親友と仲違いしてしまい、今はあまり頻繁に連絡を取ることもなくなってしまったと語ります。
「理想は、彼女と一緒に同い年の子どもを連れて、いろんなところに遊びに行くことでした。しかし、金銭事情や両親との距離が違い過ぎて、結局思い描いたような楽しい遊びには全く行けていません。私が浅はかだったのかもしれません」
一方は都会の苦しい金銭事情、一方は狭い地元での義両親や職場での人間関係。
友人とライフステージのタイミングを合わせたいという気持ちは分かりますが、環境というのは人それぞれ違うもの。同じ環境にいないことには理解や共感は難しいこともあるでしょう。
それでも合わせたいのであれば、居住含め様々な事情が近い人とタイミングを図った方が、より悩みの共有もしやすかったのかもしれませんね……。
※政府統計ポータルサイトe-Stat「2017年 人口動態調査 人口動態統計 確定数 保管統計表 都道府県編(報告書非掲載表) 婚姻/ 出生」より
―シリーズ「
地方の闇/都会の闇」―
<文/ミクニシオリ イラスト/カツオ>
ミクニシオリ
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携わったのち、2017年からライター・編集者として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。Twitter:
@oohrin