斉藤由貴が語る家族の絆「ご存知のとおり、私、いいお母さんじゃなくて」
子供の声に耳を傾けられない、親のエゴや弱さ
答えが出ないのが人生の真実
斉藤「人間ってみなずるかったり、卑怯だったり、見栄はったり、弱かったりするんですよね……。それをぜーんぶひっくるめて描いた2時間のこの物語を観ても、答えは出ない。でもその答えが出ないっていうのが人生の真実なんだと思う。
そして、この物語が生きたのも永瀬さんの存在がすごく大きいから。映画の後半にほとんど出てこないのに、彼の役がずっと物語を引っ張っていく。本当に力のある俳優はこんなことができるんだと改めて感じましたね。とにかく今回のキャストは素晴らしいチームでした。私には課題が残った感じがありますが(笑)」
――手料理から家族の物語が語られる本作ですが、斉藤さんご自身も、お子さんたちが幼稚園の頃からずっとお弁当作りは欠かさないと聞いています。
斉藤「ご飯って生きるエネルギーであって、人間にとって一番裸に近いあたたかい悦びで、人間の核を作るもの。とは言え、私は確かに12年間お弁当を作り続けていますが、冷凍食品なんかも使っちゃってますよ(笑)。ご存知のように、私、よいお母さんでもなんでもなくて(笑)、ひたすら毎日食べ物を寄せ集めてお弁当を作っているんです。ただ、冷凍食品が入っていても自分が用意したものを子供が開けるのを想像したら嬉しいし、ありがとうって。それだけです(笑) 」
<文/此花わか 写真/我妻慶一>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】此花わか
ジェンダー・社会・文化を取材し、英語と日本語で発信するジャーナリスト。ヒュー・ジャックマンや山崎直子氏など、ハリウッドスターから宇宙飛行士まで様々な方面で活躍する人々のインタビューを手掛ける。X(旧twitter):@sakuya_kono
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