「Merry Christmas」アメリカではNGワード。“A” Happy New Yearは英語として間違い?!
いよいよクリスマス。最近の日本では、気の早いお店はハロウィンが終わり次第、クリスマスモードに模様替えのところも多いようですが、クリスマス当日が近づくにつれ「Merry Christmas」の文字を見かけることが多いのではないでしょうか。
一方、近年のアメリカでは「Merry Christmas(メリー・クリスマス)」を言うことが少なくなっています。
デパートやショップでのプレゼント用の表示は「Holiday Gift(ホリデーギフト)」。街中のディスプレーは、「Merry Christmas(メリー・クリスマス)」と「Happy Hanukkah(ハッピーハヌカ)」をあわせて飾るお店や「Happy Holidays(ハッピーホリデーズ)」だけにしているお店があります。
なぜ、こういった変化が起きたのでしょうか?
12月にはユダヤ教の祝日ハヌカもあり、また、仏教徒やヒンズー、イスラム教の人々にクリスマス・ハヌカは関係ないため、おおやけの場で「メリー・クリスマスを使うのはどうなのか?」という動きが広がったためです。
そのため、多くの学校では、さまざまなバックグラウンドの生徒に合わせて「メリークリスマス」とは言わない指導をしているようです。
日本から海外の知人友人にこの時期、グリーティングカードを送るという人もいるかもしれませんね。
十分に気心の知れた友達で、クリスマスを単純にイベントとして楽しむタイプだとわかっていれば、シンプルに「Happy Christmas, Best friend!(ハッピークリスマス、親友!)」で大丈夫です。
もちろん、相手が熱心なキリスト教徒なら「May God bless your Christmas(クリスマスに神のご加護がありますように)」でも喜ばれるでしょう。
ちなみに日本ではX’masと書くこともありますが、英語圏ではキリストを表す「Christ(クライスト)」を省略せずに「Christmas(クリスマス)」と書きますのでご注意を。
もし、送る相手がどういう考えなのか分からない時には、
「I wish you have wonderful holidays(あなたにとって素敵な休暇になりますように)」
「Season’s Greeting from my heart(心を込めて季節のご挨拶を申し上げます)」
といった宗教色を出さないメッセージが無難でしょう。
相手の気を悪くしないか不安ならば、事前に「Do you celebrate Christmas?(クリスマスを祝いますか)」をたずねておくと良いかもしれませんね。
英語圏ではクリスマスカードに新年の挨拶も同時に書くことが多いです。
ところが、「Merry Christmas and A Happy New year」という冠詞のAをつけて、文法的に間違った英語表現を書いてしまうの見かけます。
正しくは「Merry Christmas and Happy New year」です。
Aが前につくのは「Wish you a Happy New Year」「Have a Happy New Year」というように文中で使われる場合だけなのが現在では基本です。
「Happy Birthday(誕生日おめでとう!)」でAを付けないのと同様に、単独で使うときには冠詞“A”を前にはつけないのですね。
新年の挨拶フレーズは他に、
「Cheers to Great New Year!(素敵な新年に乾杯!)」という、カンパイの“Cheers チアーズ”を使った表現や、
「With best New Year’s wishes(最高の新年を!)」lと、お祝いフレーズの超定番“Wishes ウィッシュズ”を使用した表現などがありますよ。
―橘エコのリアルに使える英語―
<文/アメリカ在住・橘エコ>
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グリーティングカードのメッセージはなんて書けば良い?
“A” Happy New Yearの“A”はいらない
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。