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『おっさんずラブ-in the sky-』驚愕の最終回にファンがっかりの理由とは?

成瀬竜という青年の成長物語としてはキレイに描かれていた

 ちなみに、この最終回も春田創一の恋物語ではなく、その相手役であった成瀬竜という青年の成長物語であるという視点になると話が変わってきます。  人を好きになったことが無く、周囲の同僚たちとも距離を縮められずにいた成瀬が、春田と出会うことで人に心を開き、そして四宮に恋をしその想いを貫くことで彼を手に入れることができた……。この点については綺麗に描かれていましたし、彼の想いを受け入れたであろう四宮にも幸せになって欲しいです。
 四宮の感情の切り替えのポイントとしては、春田からのチーズインハンバーグのリクエストを突っぱねるところでしょう。あの時、すでに四宮の心は成瀬に向かいつつあったのでしょうね。

おっさんずラブはこれで終焉?という不安

 ただ、周囲の描写に力が入っているように見えたその分だけ主人公である春田のないがしろ感は否めない部分がありました。そして同時に武蔵と春田が結ばれたことで「もしかして、おっさんずラブはこれで終焉を迎えるのでは?」という得も言われぬ不安がよぎるってしまったことも事実です。 『おっさんずラブ』は、何度も春田が武蔵に恋をされ、その度に別の人を好きになる……それが幾つもの世界線でループを繰り返し、いつかどこかで2人のエンドが巡ってくる物語なのだと。だからこそ、今回も武蔵エンドは無いだろうとタカをくくっていたのですが、まさかの劇終。しかもあんなに唐突な形で。
 あの2人が結ばれることに異論があるわけではないのですが、いつかはと願っていたからこそ、今回の流れは少し雑に感じられてしまったのです。  2018年の連続ドラマで予想を遥かに凌駕した一大ムーブメントとなった『おっさんずラブ』。Season2となった『in the sky』は個人的には少し残念な印象となってしまいましたが、まだまだ武蔵と春田の別の世界線があると信じつつ、Season3の実現を心待ちにしています。 <文/もちづき千代子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama
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